「授業時間を1分も無駄にしたくない」「雑談なんてしている暇があったら、一問でも多く解かせたい」そう思っていませんか?実は、その真面目さが逆に生徒の成績向上を妨げているかもしれません。塾講師にとって、雑談は単なる「おしゃべり」ではなく、学習効果を最大化するための戦略的な投資なんです。
この記事では、雑談が苦手な講師の方でも無理なく実践できる、生徒の心を掴む3つの秘訣と「5分」の黄金ルールを具体的にお伝えします。読み終わる頃には、明日からの授業がもっとスムーズに、そして楽しくなっているはずですよ。
塾講師が「雑談しない」ことで損をする3つの理由

授業の効率を追求するあまり、チャイムとともに解説を始め、終了までノンストップで教え続けてしまう。そんな熱心な講師ほど、実は大きなチャンスを逃していることが多いんです。
なぜ「雑談しない」ことがマイナスに働いてしまうのでしょうか。
生徒にとって塾は「勉強をさせられる場所」であり、少なからずプレッシャーを感じる空間です。その緊張感を解かずに授業を進めると、表面的な理解で終わってしまうリスクが高まります。
ここでは、雑談を省くことで生じる3つの大きな損失について深掘りしていきましょう。
講師と生徒の間に「心の壁」がある状態では、どんなに優れた解説も100%は届きません。信頼関係という土台があってこそ、知識はスムーズに吸収されるもの。
雑談を排除することで、その土台作りを放棄してしまっているとしたら、非常にもったいないことですよね。
生徒の緊張が解けず、質問が出にくい空気を作ってしまう
教室に入ってすぐに「はい、テキスト10ページ開いて」と言われると、生徒の心はギュッと固まってしまいます。この状態では、わからないことがあっても「こんな初歩的なことを聞いたら怒られるかも」という不安が勝ち、質問を飲み込んでしまうんです。
緊張をほぐすメリット
- 質問の増加
- 発言の活発化
- ミスの早期発見
緊張が解けると、生徒は自分の弱点を素直にさらけ出せるようになります。その結果、講師側もどこでつまづいているかを正確に把握でき、指導の精度が劇的に向上するのです。
心理的安全性が学習効率に与える影響
脳科学の視点から見ても、リラックスした状態の方が記憶の定着が良いことが分かっています。過度な緊張は脳のパフォーマンスを下げ、思考を停止させてしまうからです。
授業冒頭にちょっとした世間話を挟むだけで、生徒の脳は「ここは安心できる場所だ」と認識し、学習モードへの切り替えがスムーズになります。結果として、雑談に割いた数分間を補って余りあるほどの集中力が引き出せるようになるのです。
「わからない」と言えない生徒の心理
特に個別指導や少人数のクラスでは、生徒は講師の顔色を敏感に伺っています。雑談が一切ない「仕事モード全開」の講師に対して、生徒は威圧感を感じてしまうことも少なくありません。
すると、理解できていないのに「わかりました」と嘘をついてしまう、いわゆる「わかったふり」が常態化します。雑談を通じて講師の人間味を見せることは、生徒が安心して「わからない」と言える空気を作るための不可欠なステップなのです。
生徒の本音(悩み・理解度)が見えず、指導の修正が遅れる
勉強の話だけをしていると、生徒が抱えている本当の課題が見えてきません。実は学校の人間関係で悩んでいたり、部活動が忙しすぎて疲れ果てていたり。
そうした背景を知らずに「なぜ宿題をやってこないんだ」と叱責しても、逆効果になるだけですよね。
雑談でわかる生徒の状態
- 家庭での学習量
- 精神的な疲れ
- 興味関心の方向
何気ない会話の中に、成績不振の原因が隠されていることは多々あります。それらをキャッチできるかどうかで、指導プランの良し悪しが決まると言っても過言ではありません。
雑談から漏れ出る本当の理解度
例えば、最近ハマっているゲームの話をしている時に「あのステージの攻略、確率の計算みたいで難しくてさ」という一言が出たとします。これは、その生徒が確率の概念を実生活に結びつけて考えている証拠ですよね。
逆に、一切そうした例えが出ない場合は、知識が孤立している可能性があります。雑談は、テストの点数だけでは測れない「思考の癖」や「概念の定着度」を測るための、極めて有効な診断ツールになるのです。
メンタル面の変化に気づくセンサーとしての雑談
成績が急落する前兆は、授業中の態度よりも先に、雑談のトーンに現れることが多いものです。いつもは楽しそうに話す部活の話をしなくなったり、生返事が増えたり。
こうした小さな変化を雑談を通じて察知できれば、「今日は少しペースを落として、基礎の確認に時間を割こう」といった柔軟な対応が可能になります。生徒の心に寄り添った指導は、結果として最短ルートでの成績向上に繋がるのです。
「ただの教える人」で終わり、退塾リスクや信頼欠如につながる
今の時代、分かりやすい解説動画はYouTubeにいくらでも転がっています。それなのに、なぜ高い月謝を払って塾に来るのか。
それは「先生」という人間との関わりを求めているからです。雑談がない講師は、簡単に代えがきく「解説マシーン」になってしまいます。
信頼関係がもたらす効果
- 退塾率の低下
- 紹介の発生
- 指導への素直さ
「この先生の言うことなら信じられる」と思ってもらえるかどうか。その信頼の貯金は、授業以外の何気ない会話の積み重ねによって作られていくものなのです。
講師のファン化がもたらす継続率の向上
生徒が「あの先生に会いたいから塾に行く」という状態になれば、勉強へのハードルは一気に下がります。これを「ファン化」と呼びますが、そのきっかけの多くは共通の趣味や、講師が語った意外な過去の話だったりします。
勉強が辛い時期でも、講師との人間的な繋がりがあれば踏みとどまることができる。雑談は、生徒のモチベーションを支えるセーフティネットのような役割を果たしているのです。
保護者への報告に深みが出る
保護者面談や報告書で「今日は2次関数を教えました」とだけ伝える講師と、「最近部活でレギュラーになれたそうで、その自信が今日の難しい問題への粘り強さに繋がっていました」と伝える講師。どちらが信頼されるかは明白ですよね。
雑談で得た情報は、保護者に対しても「この先生はうちの子をしっかり見てくれている」という安心感を与えます。それが結果として、長期的な通塾と良好な関係性に繋がるのです。
効率重視派も納得!雑談を「指導の一部」に変える3つの秘訣
「それでもやっぱり、無駄話はしたくない」と感じる効率重視のあなたへ。それなら、雑談の意味を定義し直してみませんか?雑談を「遊び」ではなく「教育的アプローチ」として組み込むことができれば、罪悪感なく会話を楽しめるはずです。
雑談を指導の武器に変えるには、いくつかのテクニックが必要です。ただ漫然と話すのではなく、目的を持って言葉を選ぶ。
そうすることで、5分の会話が1時間の講義に匹敵する価値を持つようになります。ここでは、効率派の講師こそ取り入れてほしい3つの秘訣を解説します。
ポイントは、生徒の「知りたい」という欲求を刺激すること。教科書に書いてある無機質な事実を、生きた知識として届けるためのクッションとして雑談を活用しましょう。
そうすれば、雑談そのものが立派な授業の一部になります。
秘訣1:勉強に関連した「知的好奇心を刺激する雑談」を導入する
例えば歴史の授業で、単に年号を覚えさせるのではなく、その時代の人物が実は現代の私たちと同じような悩みを持っていた…というエピソードを話す。これだけで、生徒の食いつきは全く変わります。
勉強と日常の境界線を曖昧にすることが、深い学びに繋がります。
知的好奇心を煽るネタ
- 学問の裏話
- 最新の科学ニュース
- 言葉の意外な語源
こうした「へぇ〜!」と思える話は、生徒の記憶に強く残ります。そして、その周辺にある暗記事項も一緒に定着しやすくなるという、素晴らしい相乗効果があるのです。
教科書の裏話や歴史的背景の活用
数学の公式一つとっても、それを発見した数学者がどんな執念で導き出したのか、あるいはどんな失敗をしたのか。そんな「人間臭いドラマ」を添えるだけで、数式はただの記号ではなくなります。
例えばピタゴラスの定理を教える時に、ピタゴラスが秘密結社を作っていたという怪しい話を少し混ぜるだけで、生徒の集中力は一気に高まります。知識に「物語」を付加すること。
これこそが、効率的な学習を支える最高の雑談です。
社会に出た時に役立つ知識の提供
「この勉強、将来何の役に立つの?」という生徒の定番の問いに対して、雑談で答えを用意しておくのも手です。英語の授業なら、海外のビジネスシーンでその表現がどう使われているか。
国語なら、メールの書き方一つで相手の印象がどう変わるか。勉強が「点数を取るための手段」から「世界を広げるためのツール」に変わる瞬間を、雑談を通じて演出してください。
これこそが、生徒の学習意欲を根本から変える鍵になります。
秘訣2:生徒の性格や生活リズムを把握するための「情報収集」と捉える
雑談を「アセスメント(評価・分析)」の時間だと考えてみてください。生徒が何時に寝ているのか、休日は何をしているのか。
それらの情報は、無理のない宿題の量を設定したり、適切な解説のレベルを選んだりするための貴重なデータになります。
収集すべき重要データ
- 睡眠時間と集中力
- スマホの使用時間
- 今の最大の関心事
これらを直接質問すると「取り調べ」のようになってしまいますが、雑談の流れで聞けば、生徒はポロリと本音を漏らしてくれます。このデータを元に授業をカスタマイズすれば、効率は最大化されます。
部活動や習い事との両立状況を確認
「最近、部活の大会近いんだっけ?」という一言から、生徒の疲労度を探ります。もし練習がハードでフラフラな状態なら、新しい単元を詰め込むよりも、既習事項の復習に留めて達成感を持たせる方が、長期的な離脱を防げます。
生徒の生活リズムに合わせた「引き算の指導」ができるようになるのも、雑談による情報収集があってこそ。無謀な計画で生徒を潰さないための、リスク管理の一環なのです。
生徒の得意・不得意の傾向を日常会話から探る
論理的に話すのが好きなのか、感覚的に物事を捉えるタイプなのか。趣味の話をしている時の言葉選びに、その子の特性が色濃く出ます。
プラモデル作りが趣味なら、図形問題の説明にその比喩を使えるかもしれません。推し活に励んでいるなら、その情熱を暗記のエネルギーに転換させるアドバイスができるでしょう。
雑談は、生徒一人ひとりに合わせた「オーダーメイドの指導」を実現するための、最も手軽なリサーチ手法なのです。
秘訣3:共通の話題がなくてもOK!「聞き上手」に徹して承認欲求を満たす
「最近の若い子の話題なんてわからない」と悩む必要はありません。むしろ、あなたが知らないことを生徒に教えてもらう姿勢こそが、信頼関係を築く近道です。
人は自分の話を熱心に聞いてくれる人に対して、好意と信頼を抱くものだからです。
聞き上手の3テクニック
- 驚きを交えた相槌
- 5W1Hでの深掘り
- 感情への共感
生徒が「先生、これ知ってる?」と話し始めたらチャンスです。「全然知らない!教えて」と身を乗り出すだけで、生徒の承認欲求は満たされ、自己肯定感が向上します。
そのポジティブな感情が、勉強への意欲に直結するのです。
オウム返しと深掘りの質問テクニック
生徒が「昨日、文化祭の準備で大変だったんです」と言ったら、「文化祭の準備で大変だったんだね(オウム返し)。何を担当してるの?(深掘り)」と返す。
これだけで会話は成立します。無理に面白いことを言う必要はありません。
生徒の言葉を丁寧に拾い、そこに興味を示す。その姿勢自体が、生徒にとって「自分を認めてくれる存在」として映ります。
この安心感があるからこそ、厳しい指導にもついてきてくれるようになるのです。
否定しない「全肯定」の姿勢が作る信頼関係
雑談の内容がどんなに些細なことでも、あるいは講師の価値観と違っていても、まずは「そうなんだね」「それは面白いね」と受け止めることが鉄則です。塾は学校や家庭で否定されがちな生徒にとって、唯一の解放区であるべき。
雑談の時間だけでも「何を言っても受け入れられる」という経験を積ませることで、講師への信頼は盤石なものになります。その信頼こそが、ここぞという時の「本気の指導」を届けるためのパスポートになるのです。
授業時間を無駄にしない「5分」の黄金ルールと活用法

雑談の重要性はわかったけれど、ダラダラ話して授業が終わってしまうのは本末転倒ですよね。そこで提案したいのが、1回の授業につき合計「5分」だけを雑談に充てるという黄金ルールです。
時間を区切ることで、メリハリのある授業展開が可能になります。
この5分を「冒頭2分」と「終盤3分」に分割するのが、最も効果的な配分です。冒頭はエンジンをかけるための暖気運転、終盤は次への期待を高めるクールダウン。
このリズムを習慣化すれば、タイムマネジメントに悩むこともなくなります。ここでは、その具体的な活用法を見ていきましょう。
時間を意識することは、プロの講師としての基本です。時計を見ながら「あと1分だけこの話をしよう」とコントロールできるようになれば、雑談はもはや「無駄時間」ではなく、授業の質をコントロールするための「レバー」になります。
その具体的な回し方を解説します。
冒頭2分:アイスブレイクで「勉強モード」への切り替えを促す
授業開始直後の2分間は、生徒の「心の扉」を開けるための時間です。学校から直行してきた生徒や、直前までスマホを見ていた生徒の意識を、緩やかに、かつ確実にこちらへ向けさせる儀式だと考えてください。
冒頭2分の定番テーマ
- 今日の学校の給食
- 最近の小さなニュース
- 体調や気分の確認
ここで生徒の表情や声のトーンをチェックし、その日の授業のテンションを微調整します。たった2分ですが、この準備運動があるかないかで、その後の50分の吸収率が大きく変わるのです。
学校での出来事を一つだけ聞く習慣
「今日は学校で何か面白いことあった?」という質問を定番化しましょう。最初は「別に」と言う生徒も、毎週聞かれているうちに「あ、先生にこれを話そう」というネタを探すようになります。
これは、日常の出来事を言語化する訓練にもなります。生徒の返答から、その日の心理状態を把握し、「今日は疲れてそうだから、まずは計算問題から入ろう」といった柔軟なスタートを切ることができるようになります。
前回の宿題の感想から入るスムーズな導入
「宿題やった?」と聞くのではなく、「今回の宿題、どの問題が一番イラッとした?」と聞いてみてください。感情にフォーカスすることで、生徒は「実はあの問題の意味が分からなくて…」と本音を話しやすくなります。
これは雑談の形を借りた、最高に効率的な復習の導入です。生徒の不満や疑問を雑談で吸い上げることで、解説が必要なポイントを即座に絞り込み、無駄のない授業へと繋げることができます。
終盤3分:今日の頑張りを褒め、次回へのモチベーションを維持させる
授業終わりの3分間は、その日の「後味」を決める重要な時間です。どれだけ難しい内容で苦戦しても、最後をポジティブな雑談で締めくくれば、生徒は「今日も頑張ったな」という充実感を持って帰路につくことができます。
終わりの3分で伝えること
- 具体的な成長点
- 次回の楽しみな点
- 労いの言葉
この3分間があることで、生徒は「また来週も来よう」と思えます。塾を「疲れる場所」から「元気をもらえる場所」に変えるための、魔法の3分間なのです。
具体的なできたことを一つ指摘する
「今日はよく頑張ったね」という抽象的な言葉よりも、「あの計算ミスに自分で気づけたの、成長だね」と具体的に褒めることが大切です。雑談の中でサラッと伝えることで、生徒は過度に照れることなく、その言葉を素直に受け入れることができます。
小さな成功体験を講師と共有する時間は、生徒の自己効力感を高め、次の授業までの家庭学習への意欲を維持させるための、強力なエネルギー源になるのです。
次回の予告をしてワクワク感を演出
「次は、今日やったことが解けると、あのアニメの謎が解けるような面白い単元に入るよ」といった具合に、次回の授業への伏線を張ります。映画の予告編のようなワクワク感を雑談で演出することで、生徒の足取りは軽くなります。
ただ「次は〇〇ページからやるよ」と事務的に伝えるのではなく、少しの好奇心を添えること。このひと工夫が、欠席防止や学習の継続性に驚くほどの効果を発揮します。
タイムマネジメントのコツ:雑談を「切り上げるタイミング」の決め方
雑談が盛り上がりすぎて、授業時間が削られてしまう…というのは、多くの講師が抱える悩みです。これを防ぐには、会話を終わらせるための「自分なりの合図」を決めておくことが有効です。
プロの講師は、盛り上がりを殺さずに本題へ誘導するスキルを持っています。
スムーズな切り替え術
- 話題を勉強に繋ぐ
- 時計を指差す
- 深呼吸してペンを持つ
「あ、もうこんな時間だ!この続きは、今日の内容をサクッと終わらせてから話そうか」という提案は、生徒にとっても強力なインセンティブになります。雑談を「ご褒美」として機能させるのです。
時計を意識したさて本題に入ろうかのタイミング
授業開始からきっかり2分後、あるいは会話のキリが良いところで、意識的にトーンを変えます。椅子に座り直したり、テキストを開いたりといった動作を伴うことで、生徒に「ここからは集中する時間だ」という視覚的なサインを送ります。
「さて」という接続詞は、空気感を変えるための魔法の言葉です。生徒との良好な関係が築けていれば、この切り替えに対して生徒も素直に反応してくれます。
メリハリこそが、質の高い授業の証です。
盛り上がりすぎた時のフォロー術
もし予定の時間を過ぎてしまったら、無理に話を遮るのではなく「今の話、めちゃくちゃ面白いからメモしておいていい?授業終わったらまた聞かせて!」と、その価値を認めた上で一旦保留にします。生徒を否定せずに本題へ戻すことで、生徒のモチベーションを削ぐことなく授業を再開できます。
そして、約束通り授業後の数十秒でも続きを聞く。この誠実さが、講師としての信頼をさらに強固なものにし、次回の授業への期待感に繋がるのです。
「雑談が苦手」な講師でも今日から実践できるコミュニケーション術
「そもそも何を話せばいいかわからない」「沈黙が怖い」という方も安心してください。雑談はセンスではなく、技術です。
いくつかの「型」を覚えておくだけで、どんな生徒ともスムーズに会話を繋げることができるようになります。
大切なのは、あなたが面白い人間である必要はないということ。むしろ、少し隙があったり、失敗談を話したりする講師の方が、生徒にとっては親しみやすく、心を開きやすいものです。
ここでは、コミュニケーションに自信がない講師の方でもすぐに使える、具体的なテクニックをご紹介します。
ネタ帳を頭の中に持っておくこと、そして「完璧な講師」という仮面を少し外してみること。この2点だけで、生徒との距離は劇的に縮まります。
オンライン指導など、対面とは勝手が違う場面でのコツも併せて見ていきましょう。
ネタ切れを防ぐ!生徒の反応が良い「鉄板の質問リスト」
何を話すか迷ったら、このリストを思い出してください。自分から話題を提供しようとせず、生徒に「語らせる」ための質問を投げかけるのがコツです。
生徒の日常に潜んでいるネタを引き出すだけで、会話は無限に広がります。
鉄板の質問カテゴリ
- 学校の昼休み
- 最近の推し・流行
- 週末の予定・思い出
これらの質問に対して、生徒が返してきた答えを「へぇ〜!」と深掘りしていくだけ。あなたが最新トレンドに詳しくなくても、生徒が喜々として解説してくれるはずですよ。
季節のイベントや学校行事の活用
「もうすぐ体育祭だっけ?」「夏休みの宿題、終わる気配ある?」といった季節ネタは、最も外れがありません。特に学校行事は、生徒にとっての重大ニュースです。
準備の苦労や当日の意気込みを聞くだけで、生徒の個性がよく見えてきます。こうした共通の話題は、講師と生徒という垣根を越えて、同じ目線で会話を楽しむための絶好の材料になります。
カレンダーを見て、生徒の学校生活を想像することから始めてみてください。
流行りのアプリやYouTubeの話を振る方法
「最近、みんなの間で流行ってるアプリとかある?」とストレートに聞いてみましょう。もし自分が知らない名前が出たら、「それってどういうところが面白いの?」と、あえて初心者の立場で教えてもらいます。
生徒は「先生よりも自分の方が詳しい」という状況に優越感を感じ、饒舌になります。この「教える・教わる」の立場をあえて逆転させる時間は、生徒の自己肯定感を満たし、その後の「勉強を教わる」ことへの心理的抵抗を減らす効果があるのです。
完璧主義は逆効果?講師の「小さな失敗談」が心の距離を縮める
生徒にとって、塾の先生は「勉強ができる完璧な人」に見えがちです。そのイメージが強すぎると、生徒は自分の失敗を隠すようになります。
あえて自分の失敗談をさらけ出すことで、「先生も人間なんだ」という安心感を与えましょう。
自己開示のポイント
- 昔のテストの失敗
- 今のドジなエピソード
- 苦手だった教科の話
「実は先生も、中学生の時に数学で0点取ったことあるんだよ」といったカミングアウトは、今悩んでいる生徒にとってどれほどの救いになるでしょうか。弱さを見せることは、本当の強さなのです。
先生も昔はできなかったという共感
生徒が問題に苦戦している時に、「これ、難しいよね。先生も受験生の時にここで1週間悩んだんだ」と声をかけてみてください。
「自分だけじゃないんだ」という共感は、生徒の孤独感を解消し、再び問題に立ち向かう勇気を与えます。講師の過去の苦労話を雑談として共有することで、勉強の「辛さ」を共有できるパートナーとしての信頼が生まれます。
完璧な正解を教えること以上に、共に悩む姿勢を見せることが、生徒の心を動かすのです。
親近感を生むための適度な自己開示
「昨日、洗濯機を回したまま寝ちゃってさ…」といった、生活感のある失敗談も効果的です。勉強とは関係ない部分での「人間味」を見せることで、生徒は講師をより身近な存在として感じるようになります。
この親近感こそが、コミュニケーションの潤滑油となり、授業中のやり取りをスムーズにします。ただし、あくまで主役は生徒。
自分の話をしすぎず、生徒が「先生、それウケる!」と笑ってくれる程度のボリュームに留めるのがコツです。
オンライン個別指導でも使える!画面越しで親近感を出すテクニック
オンライン指導では、対面よりも情報量が制限されるため、意識的に雑談を挟まないと「冷たい印象」になりがちです。画面越しだからこそできる工夫を取り入れて、物理的な距離を感じさせない信頼関係を築きましょう。
オンライン雑談のコツ
- 背景の話題を振る
- リアクションを大きく
- チャット機能の活用
画面に映るちょっとした情報から会話を広げるのは、オンラインならではのテクニックです。相手の部屋の様子や、使っている文房具など、視覚情報をきっかけにしてみましょう。
カメラ目線とオーバーリアクションの効果
オンラインでは、あなたが思っている以上に表情が伝わりにくいものです。雑談中も、画面(生徒の顔)ではなくカメラレンズを見ることで、生徒は「自分と目が合っている」と感じ、安心します。
また、生徒の話に対しては、少し大げさなくらい頷いたり笑ったりすることで、画面越しの壁を突破できます。「あなたの話を楽しんで聞いているよ」というサインを全身で送ること。
これが、オンラインでの雑談を成功させる最大の鍵です。
バーチャル背景や小道具を使ったきっかけ作り
講師側の背景をあえて変えてみるのも面白い方法です。「今日の背景、どこか分かる?」といったクイズ形式の雑談から入れば、生徒の興味を瞬時に惹きつけられます。
あるいは、お気に入りの本やガジェットを画面に見せて、「これ、最近買って良かったんだよね」と紹介する。オンラインの画面を「共有のキャンバス」として活用することで、対面以上の濃密なコミュニケーションが可能になります。
ツールを味方につけて、楽しみながら会話を広げていきましょう。
まとめ:適切な雑談は授業の質を高める「最高のスパイス」
ここまで読んでくださったあなたは、もう「雑談は時間の無駄」だとは思っていないはずです。雑談は、生徒の緊張を解き、本音を引き出し、信頼関係という強固な土台を作るための、極めて戦略的な指導技術なのです。
効率を重視するからこそ、あえて5分の雑談を取り入れる。その余裕が、生徒の集中力を高め、結果として成績向上への最短ルートを切り拓きます。
勉強を教えるだけの講師から、生徒の人生に寄り添い、可能性を引き出す講師へ。その第一歩は、明日の授業の「冒頭2分の何気ない会話」から始まります。
最後に、この記事のポイントを振り返りましょう。これらを意識するだけで、あなたの授業は劇的に変わり、生徒たちの笑顔も増えるはずですよ。
まずは一つ、明日の生徒に投げかける質問を決めることから始めてみませんか?
雑談は「時間の無駄」ではなく「最短ルートの信頼構築」
急がば回れ、という言葉通り、信頼関係がない中での無理な詰め込みは、結局のところ非効率です。雑談に割く時間は、生徒が自ら学び始めるための「心のガソリン」を補給する時間。
この投資を惜しまない講師こそが、最終的に生徒を志望校合格へと導くことができるのです。雑談を恐れず、むしろ授業を成功させるための頼もしい相棒として迎え入れてください。
生徒に寄り添う一言が、成績向上への一番の近道になる
成績を上げるのは、講師の解説力だけではありません。生徒が「この先生と一緒に頑張りたい」と思えるかどうかが、最後の粘りを生みます。
その気持ちを育むのは、教科書には載っていないあなたの言葉、そして生徒の言葉を大切に聞く姿勢です。適切な雑談という最高のスパイスを加えて、あなたにしかできない、生徒の心に深く残る最高の授業を作り上げていってください。
応援しています。

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