塾講師の予習は給料ナシ?時給換算で損しない3つの対策

塾講師のバイト、やりがいはあるけど「あれ?予習の時間って給料出ないの?」って思ったこと、ありませんか?実は、多くの塾講師が授業1コマに対して、30分〜1時間以上の「サービス予習」をしています。時給換算すると、最低賃金を下回ってしまうケースも少なくないんですよね。

この記事では、法律的な観点から予習時間が給料の対象になるのかを解説し、時給換算で損しないための具体的な3つの対策をお伝えします。読み終わる頃には、自分の働き方を見直し、自信を持って待遇改善を求めるための行動プランが見えてきますよ。

目次

塾講師の予習は給料なしが常識?その実態と違法性

塾講師の予習は給料なしが常識?その実態と違法性

「やりがい搾取」なんて言葉が、ふと頭をよぎる瞬間、ありませんか?生徒の成績が上がった時の喜びは大きいけれど、その裏で費やした予習の時間を考えると、なんだかモヤモヤする…。塾講師の予習問題、まずはその根深い実態と、法律的な視点から見ていきましょう。

あなたが感じているその「おかしい」という感覚、決して間違っていませんよ。

多くの塾で横行する「サービス予習」の実態

「みんなやってるから」「良い授業のためには当たり前」そんな空気、ありますよね。でも、その「当たり前」が、実はあなたの貴重な時間を無給で奪っているかもしれません。

特に個別指導塾では生徒一人ひとりに合わせた準備が必要ですし、集団指導塾では大勢の生徒を惹きつけるための完璧な授業準備が求められます。どちらの形態であっても、授業時間と同じか、それ以上の時間を予習に費やしている講師は少なくないんです。

サービス予習の実態

  • 授業前の教材研究
  • 生徒ごとの課題作成
  • 小テストの準備
  • 授業構成のプランニング

これらはすべて授業の質を担保するために不可欠な作業ですよね。しかし、多くの場合、これらは給与の対象外とされ、「講師の自主的な準備」として扱われてしまっているのが現実です。

時給1,200円のコマ給だとしても、1時間のサービス予習があれば、実質時給は600円になってしまいます。

個別指導塾でありがちな「生徒ごとの準備」という沼

個別指導塾の魅力は、生徒一人ひとりに寄り添えること。でも、その裏側では講師の負担が大きくなりがちです。

「Aちゃんは数学の図形が苦手だから、補助プリントを作ってあげよう」「Bくんは英語の長文読解が伸び悩んでいるから、単語リストを用意しよう」。そんな風に生徒のことを思えば思うほど、準備時間は無限に増えていきます。

この個別対応こそが塾の価値であるはずなのに、その準備時間が評価されないのは、どう考えてもおかしいですよね。

集団指導塾で見られる「完璧な授業」へのプレッシャー

一方、集団指導塾では、大勢の生徒を前に失敗できないというプレッシャーが常につきまといます。生徒全員の集中力を維持し、分かりやすく、かつ面白い授業を展開するためには、綿密なシミュレーションが欠かせません。

話す順番、板書のレイアウト、問いかけるタイミング、すべてを計算し尽くした授業の裏には、膨大なリハーサルと準備時間が隠されています。この時間も「プロ意識」という言葉のもと、サービス残業として処理されてしまうケースが後を絶ちません。

法律的に解説!予習は労働時間にあたり給料は発生するのか?

「これって、もしかして違法なんじゃないの?」その疑問、すごくよく分かります。結論から言うと、塾からの指示によって行われる予習は「労働時間」と見なされ、給料が発生する可能性が非常に高いです。

法律の世界でどうなっているのか、ここでしっかり確認しておきましょう。自分の権利を知ることは、自分を守るための第一歩です。

「指揮命令下」にあるかどうかが判断の分かれ目

労働基準法では、「労働時間」とは「使用者の指揮命令下に置かれている時間」と定義されています。つまり、塾長や教室長から「このテキストの〇ページから〇ページまでを使って予習してください」「予習内容を報告書にまとめて提出してください」といった具体的な指示がある場合、それは紛れもなく労働時間です。

たとえ塾の教室ではなく、自宅で行っていたとしても、指示がある以上は業務の一環と判断されます。

事実上の「強制」であれば労働時間とみなされる

塾側が「予習は任意ですよ」と言っていたとしても、安心はできません。もし、予習をしなければ授業のクオリティが著しく下がる、生徒の指導が不可能になる、あるいは予習をしていないことで人事評価に悪影響が出る、といった状況であれば、それは「事実上の強制」と見なされます。

例えば、「予習なしでは到底解説できない」ような難解な教材を指定されている場合などがこれにあたります。形式上は任意でも、実態としてやらざるを得ない状況であれば、それは労働時間なんです。

なぜ予習の給料が支払われないケースが多いのか

法律的には給料が支払われるべきケースが多いのに、なぜ実際には「サービス予習」がまかり通っているのでしょうか。それには、塾業界が抱える特有の構造的な問題や、古くからの慣習が深く関係しているんです。

この背景を知ることで、問題の根深さが見えてきます。

支払われない理由

  • 業界の古い慣習
  • 人件費の削減目的
  • 講師側の知識不足
  • 言い出しにくい空気

これらの要因が複雑に絡み合い、「予習は無給が当たり前」という文化が根付いてしまっているのが現状です。特に、講師の「生徒のために」という善意が悪用されている側面は否定できません。

しかし、その善意につけ込み、正当な対価を支払わないのは企業として問題があると言わざるを得ません。

塾業界に根付く「慣習」という名のグレーゾーン

「私が若い頃は、もっとやったもんだよ」なんて、ベテラン講師や教室長から言われた経験はありませんか?塾業界には、残念ながら「授業準備は講師が自己研鑽として行うもの」という古い慣習が根強く残っています。この「昔からこうだったから」という同調圧力が、違法性の高い労働環境の温床になっているのです。

しかし、時代は変わりました。過去の慣習が、今の法律や労働環境の基準に合っているとは限りません。

学生アルバイトが多く「声を上げにくい」構造

塾講師には、大学生のアルバイトが非常に多いですよね。社会経験が少ないため、「こういうものなのかな?」と疑問に思っても、なかなか声を上げにくいのが実情です。

また、「シフトを減らされたらどうしよう」「教室長との関係が悪くなったら働きにくい」といった不安から、おかしいと思っていても我慢してしまうケースが少なくありません。塾側もその弱みにつけ込み、曖昧な労働条件で働かせている側面があるのです。

時給換算で損しない!塾講師が予習で給料を無駄にしない3つの対策

時給換算で損しない!塾講師が予習で給料を無駄にしない3つの対策

「じゃあ、どうすればいいの?」と不安に思いますよね。でも、泣き寝入りする必要は全くありません。

自分の時間と労働の価値を守り、正当な対価を得るために、今すぐあなたができる具体的な対策が3つあります。少しの知識と行動で、状況は大きく変えられます。

一つずつ見ていきましょう。

【対策1】予習の効率を最大化し時間対効果を上げる

まず取り組めるのは、自分自身でコントロールできる「予習時間」そのものを短縮することです。予習の質を落とさずに時間を短縮できれば、実質的な時給は確実に上がりますよね。

闇雲に時間をかけるのではなく、賢く、効率的に準備するテクニックを身につけましょう。これは、どの塾で働くにしても役立つ一生モノのスキルになりますよ。

予習効率化のコツ

  • 指導記録の活用
  • 教材のポイント把握
  • 指導の型(テンプレート)化

これらを意識するだけで、予習時間は驚くほど短縮できます。大切なのは、毎回ゼロからスタートするのではなく、過去の自分の仕事を資産として積み上げていくことです。

最初は少し手間がかかるかもしれませんが、長い目で見れば圧倒的な時間短縮につながります。

過去の指導記録や教材のポイントを掴む

一度教えた単元は、あなたの貴重な財産です。授業で使ったプリントや板書の写真、そして何より「生徒がどこでつまずいたか」「どの説明が分かりやすかったか」といった記録を必ず残しておきましょう。

次に同じ単元を教える時、その記録を見返すだけで、予習時間は半分以下になります。教材のどこが重要で、どこが生徒の疑問点になりやすいか、ポイントを事前に把握しておくことが、効率化の最大の鍵です。

自分なりの指導テンプレートを作成する

授業の流れを毎回ゼロから考えていませんか?「導入の雑談→前回の復習→今日のポイント解説→例題→演習→まとめ」のように、自分なりの「指導テンプレート」を作っておくと、準備が格段に楽になります。この「型」に沿って、その日の授業内容を当てはめていくだけで、授業構成に悩む時間が大幅に削減できます。

特に、複数の生徒や学年を担当している方には効果絶大ですよ。

【対策2】労働条件を面接・契約時にしっかり確認する

働き始めてから「話が違うじゃないか!」と後悔するのは、本当にもったいないです。実は、入社前の面接や契約の段階が、自分の労働条件を守る上で最も重要なタイミングなんです。

少し聞きにくいと感じるかもしれませんが、ここで勇気を出して確認することが、後々のトラブルを防ぎます。チェックすべきポイントを具体的にお伝えしますね。

面接で「予習時間」の給与について質問する

面接は、塾があなたを選ぶ場であると同時に、あなたが塾を選ぶ場でもあります。臆することなく、給与について質問しましょう。

例えば、「生徒一人ひとりに合わせた質の高い授業を提供したいと考えているのですが、授業準備の時間については、給与体系はどのようになっていますか?」といった聞き方なら、意欲的で丁寧な印象を与えられます。この質問に対して、曖昧な答えを返したり、渋い顔をしたりする塾は、注意が必要かもしれません。

契約書で業務範囲と給与体系を明確にする

採用が決まったら、必ず労働契約書にサインする前に内容を隅々まで確認してください。特に見るべきは「業務の範囲」と「給与体系」です。

「コマ給」や「授業給」だけでなく、「授業準備手当」「事務給」「会議手当」といった項目があるかチェックしましょう。もし口頭での説明と契約書の内容が違う場合は、その場で必ず質問してください。

口約束は何の効力も持ちません。書面に残っていることがすべてです。

【対策3】給与体系がクリーンな塾を選ぶ

そもそも、最初から講師の労働環境を大切に考えている、クリーンな塾を選べば、こういった問題で悩む必要はありません。求人情報や口コミをしっかりリサーチすれば、優良な塾を見分けることは可能です。

どんな塾が「当たり」なのか、その特徴を見ていきましょう。

クリーンな塾の特徴

  • 準備給の明記
  • 事務給の存在
  • 明確な給与体系
  • 口コミ評価が高い

求人票に「授業以外の業務にも手当あり」といった文言が具体的に記載されている塾は、講師の労働時間に対して誠実な姿勢を持っている可能性が高いです。コマ給の金額だけでなく、トータルでどれくらいの給与になるのか、という視点で塾を選ぶことが大切です。

授業準備時間にも給与を支払う塾の特徴

優良な塾は、求人票の給与欄に「コマ給:〇〇円~」だけでなく、「授業準備手当:1コマあたり〇分」「事務給:時給〇〇円」といった記載があります。これは、授業以外の時間も労働としてきちんと認識し、対価を支払うという塾の意思表示です。

このような塾は、講師を大切にする文化が根付いている可能性が高く、働きやすい環境であると期待できます。

応募前に口コミサイトでリアルな労働環境を調べる

求人票の情報だけでは分からない、リアルな内情を知るためには、口コミサイトの活用が欠かせません。「塾講師ステーション」のような専門サイトや、「ライトハウス(旧カイシャの評判)」などの一般的な転職口コミサイトで、実際に働いていた人の声を確認しましょう。

「サービス残業が多い」「コマ給以外は一切出ない」といったネガティブな口コミが多い塾は、避けるのが賢明です。

予習以外にも注意!塾講師の給料に含まれない「隠れ労働」

予習以外にも注意!塾講師の給料に含まれない「隠れ労働」

実は、あなたの実質時給を下げている原因は、予習だけではないかもしれません。塾講師の仕事には、授業そのもの以外にも多くの業務が付随します。

これらの「隠れ労働」が、気づかないうちにあなたの時間を奪っている可能性があります。どんな業務が隠れ労働にあたるのか、具体的にチェックしてみましょう。

授業後の報告書作成や事務作業

授業が終わって「お疲れ様でした!」…と、すんなり帰れることは少ないですよね。その日の授業内容や生徒の様子を記録する指導報告書の作成、これも立派な業務です。

パソコンでの入力作業や手書きでの記入など、形式は様々ですが、1コマあたり10分~30分かかることも珍しくありません。この時間が無給だとすれば、積み重なるとかなりの金額になります。

1コマあたり30分?報告書作成の現実

特に個別指導塾では、生徒一人ひとりに対して詳細な報告書を求められるケースが多いです。授業内容、理解度、宿題の達成状況、さらには保護者への伝達事項まで記入していると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。

1日3コマ担当すれば、それだけで1時間以上の無給労働が発生する可能性も。これが「当たり前」の空気になっている職場は、労働環境として健全とは言えません。

保護者対応や電話連絡の時間

授業時間外にかかってくる保護者からの電話や、面談の日程調整。これも塾講師の重要な仕事の一部ですが、その時間に対して給料は支払われていますか?保護者との良好な関係は塾の信頼に直結するため、丁寧な対応が求められます。

しかし、その対応にかかる時間や精神的な負担が、ボランティアであってはならないはずです。

隠れ労働の例

  • 報告書作成
  • 保護者対応
  • 強制参加の研修
  • 教室の清掃・準備

これらはすべて、塾を運営していく上で必要な業務です。本来であれば、きちんと給与が支払われるべき時間なのです。

自分の業務の中に、こうした無給の「隠れ労働」がないか、一度洗い出してみることをおすすめします。

業務時間外の電話対応は断ってもいい?

労働契約書に明記されていない限り、業務時間外の電話対応に応じる義務はありません。もし頻繁に連絡が来て困っている場合は、「申し訳ございませんが、ただいま勤務時間外ですので、明日の〇時以降に教室から折り返しご連絡いたします」と伝え、教室長に対応を引き継ぐのがベストです。

自分のプライベートな時間を守る権利は、誰にでもあります。

強制参加の研修やミーティング

「講師のスキルアップのため」「教室運営の情報共有のため」といった名目で行われる研修やミーティング。もちろん、それ自体は有益なものです。

しかし問題は、それが休日や勤務時間外に、しかも無給で行われるケースです。会社からの指示で参加が強制されているのであれば、それは間違いなく労働時間にあたります。

「任意参加」という言葉の罠に注意

塾側は「任意参加」という言葉を使い、給料の支払いを免れようとすることがあります。しかし、もしその研修やミーティングに参加しないことで、担当する授業を減らされたり、評価が下がったりといった不利益が生じるのであれば、それは事実上の「強制参加」です。

形式的な言葉に惑わされず、実態として参加が義務付けられているかどうかで判断することが大切です。

予習の給料が支払われず改善しない場合の相談先

自分でできる対策を試してみても、職場の環境が全く改善されない…。そんな時は、一人で抱え込まずに外部の力を借りることも考えてみましょう。

声を上げることは、決してわがままではありません。自分の権利を守り、より良い労働環境を求めるための正当な行動です。

頼れる相談先がちゃんとありますから、安心してくださいね。

まずは塾の責任者や本部に相談する

いきなり外部機関に相談する前に、まずは組織内部での解決を目指すのがスムーズです。事を大きくしたくない場合や、円満な解決を望む場合は、直属の上司である教室長や、さらにその上のエリアマネージャー、あるいは本社の人事部などに相談してみましょう。

その際のポイントは、感情的にならず、冷静に事実を伝えることです。

相談前に準備すべき「証拠」とは?

相談に行く際は、手ぶらではなく客観的な証拠を持っていくことが交渉を有利に進める鍵になります。例えば、いつ、何の予習に、どれくらいの時間がかかったかを記録したメモやタイムカードのコピー、業務指示があったメールやチャットのスクリーンショットなどが有効です。

具体的なデータを示すことで、あなたの主張に説得力を持たせることができます。

労働基準監督署などの外部機関に相談する

社内で相談しても取り合ってもらえなかったり、不利益な扱いを受けたりした場合は、公的な機関に相談することを検討しましょう。労働基準監督署(労基署)は、企業が労働基準法を守っているかを監督する機関で、無料で相談に乗ってくれます。

労働者の心強い味方です。

外部の相談先

  • 労働基準監督署
  • 総合労働相談コーナー
  • 労働組合(ユニオン)
  • 弁護士

どこに相談すればいいか分からない場合は、まず全国の労働局や労基署内に設置されている「総合労働相談コーナー」に電話してみるのがおすすめです。専門の相談員が話を聞き、適切なアドバイスや窓口を案内してくれます。

労働基準監督署に相談する流れと注意点

労働基準監督署に相談すると、法違反の疑いがあると判断されれば、塾に対して立ち入り調査や是正勧告(改善命令)を行ってくれることがあります。匿名での情報提供も可能ですので、「会社にバレるのが怖い」という方でも安心です。

ただし、労基署はあくまで法律違反を是正する機関であり、あなたの代わりに未払い賃金を直接取り立ててくれるわけではない、という点は覚えておきましょう。

働きやすい環境へ!転職も有効な選択肢

色々な手を尽くしても改善が見られない場合、その環境を変えることも、決して逃げではありません。むしろ、自分を大切にするための、非常に賢明で前向きな選択肢です。

待遇の悪い塾に固執して心身をすり減らすよりも、あなたのスキルや経験を正当に評価してくれる新しい場所を探す方が、よっぽど建設的ですよね。

自分の価値を安売りしないための塾選び

今回の経験は、次の職場選びで絶対に活かせます。「コマ給だけでなく、準備給や事務給が明記されているか」「口コミサイトでの評判はどうか」など、以前よりもずっと厳しい目で求人情報を見極められるはずです。

塾講師という仕事は、本来とてもやりがいのある素晴らしい仕事です。あなたの情熱や努力がきちんと報われる場所は、必ず見つかります。

自分の価値を安売りせず、胸を張って次のステップに進みましょう。

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