塾講師の予習時間を30分短縮できた、準備の見直しポイント

塾講師の予習時間を30分短縮の解説イメージ

塾講師の予習時間を30分短縮したい、でも何から手をつければいいか分からない——そういう状態が続いていませんか。丁寧に準備しているつもりなのに、気づけば23時を過ぎている。

そんな夜が週に何日もあると、「これが普通なのか」と思い始めますよね。

この記事は、準備の負担を減らしながらも授業の質を保ちたいと考えている多忙な塾講師の方に向けて書きました。合う合わないはありますが、見直しのきっかけになれば十分です。

目次

予習に毎日1時間以上かけている塾講師ほど、じつは準備が逆効果になっている

予習に毎日1時間以上かけている塾講師ほど、じつは準備が逆効果になっている

まず結論から言います。予習に時間をかけすぎることは、授業の質を上げるどころか、翌日のパフォーマンスを下げる原因になりがちです。

深夜まで予習して翌日の授業に臨む。熱心に見えますが、睡眠が削られた状態では授業中の判断が鈍くなります。

生徒の反応を読む余裕も薄れてきます。

「丁寧にやるほど良い授業ができる」という感覚は、正直なところ幻想に近いんです。

「とりあえず全部やる」姿勢が、時間を食い続けている

予習に時間がかかる塾講師に共通しているのが、「とりあえず全部やる」という準備スタイルです。

教科書の全設問を解き直す。

解説を読んで補足情報を調べる。プリントを一から作る。

板書の構成を考える。これを毎回、科目・学年を問わず同じようにやっていると、時間はいくらあっても足りません。

問題なのは、その作業の多くが「授業で実際には使わなかった」ものだという点です。

  • 全設問を解き直す
  • 解説に補足情報を加える
  • プリントを毎回一から作る
  • 使わない板書案を複数用意する

心当たりがある項目、あるんじゃないでしょうか。これらは「授業の質を上げるため」に見えて、実際には「準備した安心感を得るため」になっていることが多いです。

授業ごとに一から準備し直すループから抜け出せていない

「前回の授業でうまく説明できなかったから、今回はもっと丁寧に準備しよう」。

この思考が、一から準備し直すループを生んでいます。

前回の反省が次回の過剰準備につながり、また時間が足りなくなる。この繰り返しは、準備の量を増やすことでしか解決できないと思い込んでいるうちは終わりません。

ループの入り口は「前回の記録を残していないこと」にあります。何がうまくいって、何でつまずいたか。

それが手元にないから、毎回ゼロから考え直すことになるんです。

丁寧にやるほど翌日の疲労が蓄積していくと気づく

個別指導の塾講師が1人の生徒の予習に4時間近くかけてしまったという話は、珍しくありません。

「教えるべき文法・単語・熟語を全部洗い出そうとすると、そうなってしまう」という感覚、分かります。でも、その4時間の予習が授業に全部反映されているかというと、そうではないはずです。

丁寧にやることと、効果的にやることは別の話。疲弊したまま授業に入ると、準備の丁寧さが生徒には届かなくなります。

塾講師の予習時間を30分短縮できない本当の原因がここにある

塾講師の予習時間を30分短縮できない本当の原因がここにある

予習の時間が減らない理由を「自分の段取りが悪いせい」だと思っている塾講師は少なくありません。でも、原因はもっと構造的なところにあります。

「何をどこまで準備すべきか」の基準が自分の中にない

準備に時間がかかる最大の理由は、ゴールラインが見えていないことです。

「これくらいやれば十分」という基準がないと、人はいつまでも追加の作業を続けます。解説を読む→気になる部分を調べる→その周辺も確認する。

この「少しずつ広がる準備」が、時間を際限なく吸い取っていくんです。

これは”準備の沼”とも言える状態です。やればやるほど「まだ足りないかもしれない」という不安が増して、終わりを自分で決められなくなっていく状態のことです。

  • 終わりの基準がない
  • 不安が追加作業を生む
  • 生徒レベルと準備量が連動していない
  • 授業で使う情報と使わない情報の区別がない

「何をどこまで」を決めていない限り、どんなに要領よくやろうとしても時間は縮まりません。ここが起点です。

科目・学年・生徒レベルが混在したまま同じ手順で動いている

複数の科目・学年・生徒を担当している場合、それぞれに必要な準備量は大きく違います。

中学1年生の数学と、高校3年生の英語では、当然準備の深さが変わってきます。それなのに「どの授業も同じ手順で準備する」という習慣が染み付いていると、明らかに準備過多になる授業と準備不足になる授業が混在します。

実際、在籍年数が多い高スキルの講師はほとんど予習が必要ないという現場の声があります。

それは「何度も同じ範囲を教えてきた経験」があるからです。つまり、経験が蓄積されるほど準備は減っていく。

逆に言えば、準備を記録・蓄積する習慣があれば、経験年数が浅くても準備量を減らせるということです。

準備の中に「授業で使わない作業」が混ざり込んでいる

予習時間のうち、実際に授業に使われる情報の準備はどれくらいの割合でしょうか。

正直、ここは判断が難しいところです。「使わないかもしれないけど、聞かれたときのために調べておく」という作業は、備えとして間違ってはいません。

でも、それが準備の大半を占めているとしたら、優先順位がずれています。

指導報告書の作成、保護者への報告、次回教材の準備——これらも無給で行われることが多い塾講師の業務実態を考えると、授業準備以外の時間外業務もかなり積み重なっています。

使わない作業を削るだけで、準備時間は変わります。「削る」というと不安になりますが、削るのは授業に関係ない作業だけです。

カリキュラム活用だけでは不十分な場合がある

カリキュラム活用だけでは不十分な場合がある

準備の効率化策として「カリキュラムを使いこなしてその日の範囲を事前に把握する」という方法がよく語られます。実際に有効な手段ですし、事前把握は準備の基本です。

ただ、カリキュラムを見ても「その生徒がどこで詰まるか」は分かりません。範囲を把握することと、生徒の理解度に合わせた準備は別の作業です。

カリキュラムだけを頼りにした準備では、実際の授業で「想定外の躓き」が起きたときに対応できなくなる。

そこで余計な時間を使ってしまう——そういうパターンが意外と多いんです。

カリキュラムの活用は前提として、それに「生徒の躓きパターンの記録」を組み合わせることで初めて準備が本当に効率化されます。どちらか一方では完成しません。

カリキュラムより先に「生徒ファイル」が必要な理由

カリキュラムは範囲を教えてくれますが、「この生徒がどこで止まるか」は教えてくれません。

その情報は授業の中でしか得られないし、記録しなければ次回の準備に活かせません。

生徒ごとに「よく間違えるパターン」「質問してくる箇所」「理解が速い単元」をメモしておく。それが積み重なると、次回の準備が半分以下になっていきます。

カリキュラムはあくまで「地図」。生徒ファイルは「その生徒専用のルート案内」です。

準備の見直しで塾講師の予習時間を30分短縮できた、具体的な変化

準備の構造を変えると、何がどう変わるのか。

具体的な変化を見ていきます。

「授業前に必要な情報」を3つに絞ったら動き出しが変わった

準備を始めるとき、「今日の授業で絶対に使う情報」を先に3つだけ決める。これだけで、準備の動き出しが変わります。

「3つ」という数字に根拠はありません。

ただ、人間が授業中に意識的に使える情報量には限りがあります。10個準備しても使えるのは3〜4個。

ならば最初から3つに絞って準備した方が、密度が上がります。

  • 今日扱う単元の核心
  • 生徒が詰まりそなポイント
  • 前回からの接続部分

この3点さえ押さえておけば、授業は動かせます。それ以外の情報は「聞かれたら答える」くらいのスタンスで十分です。

前回授業のメモを翌回の準備にそのまま流用できるようになった

授業後に5〜10分、その日の気づきをメモする習慣をつけると、次回の準備が劇的に短くなります。

「この問題でAさんが詰まった」「この説明が刺さった」「ここは次回もう一度確認が必要」——こういった情報が手元にあると、次の準備は「確認と調整」だけで済みます。ゼロから組み立て直す必要がなくなります。

指導報告書を書く塾も多いですが、そこに予習への接続まで意識してメモしている講師は多くありません。

報告書に一行加えるだけで、翌週の準備が前回の記録から始められるようになります。

科目別に「最低限ライン」を決めたことで迷う時間がなくなった

準備の時間を食うもう一つの原因は「迷い」です。

どこまでやるか、これで十分かという迷いが、作業時間に上乗せされています。

「最低限ライン」を科目ごとに決めておくと、迷いがなくなります。

  • 数学:例題を1問解き直す
  • 英語:単元の文法ポイントを確認する
  • 国語:本文を一読して設問を把握する
  • 理科・社会:用語の定義を確認する

これより深くやるかどうかは、生徒の習熟度や前回の授業の結果を見て判断する。

そういう「上乗せの基準」を持っておくと、準備が属人的な感覚に頼らなくて済みます。

候補として、「前任者や先輩に毎回ポイントを聞く」という方法もあります。ただ、これは聞ける環境が整っている場合に限られますし、毎回聞き続けることも現実的ではありません。

自分の中に基準を持つ方が、長期的には確実です。

今日から動ける、予習時間の見直し手順を整理しておく

「分かったけど、どこから手をつければいいか」という感覚、あると思います。手順として整理しておきます。

まず1週間分の予習記録を書き出して「時間泥棒」を特定する

最初にやることは、記録です。

1週間、予習に使った時間と作業内容を書き出してください。難しく考えなくていい。

「英語・中3・45分・解説全部読んだ・プリント作った」くらいのメモで十分です。

書き出してみると、「毎回やっているのに一度も使っていない作業」が見えてきます。

これが時間泥棒です。

  • 使わない補足資料の作成
  • 解説書の全読
  • 複数パターンの板書案作成
  • 毎回一からのプリント制作

特定できたら、まずその一つをやめてみてください。それだけで翌週の予習時間は変わります。

カリキュラムと指導書を組み合わせて下調べを一本化していく

カリキュラムで「今週扱う範囲」を把握し、指導書でその範囲のポイントを確認する。この2つを組み合わせれば、下調べは一本化できます。

指導書には、教えるべきポイントと生徒がつまずきやすい箇所が整理されています。それを読んで「授業で使う3点」を選ぶ。

これが最も時間効率の良い準備の流れです。

「指導書は参考程度」と思っている講師は少なくないですが、使い方次第でかなり頼れるツールです。授業で使う情報の7〜8割はそこで揃います。

生徒の躓きパターンを蓄積すると次回からの準備が半分になる

前回の見出しでも触れましたが、これは一番効果が出やすい習慣です。

授業後に「この生徒はここで止まった」というメモを残す。次の準備では、そのメモを見てから指導書を開く。

このルーティンが定着すると、準備の起点が「ゼロ」ではなく「前回の続き」になります。

  • 生徒が詰まった箇所
  • 説明して効いた表現
  • 次回確認が必要な単元
  • 理解が速かった部分

記録する時間は授業後5分もあれば十分です。この5分の投資が、翌回の準備時間を15〜20分単位で縮めてくれます。

続けるほど効果が積み重なっていくので、早めに始めた方が得です。

授業後メモを続けられない人がやりがちなことがある

「授業後メモが続かない」という悩みは多いです。原因のほとんどは「完璧なメモを書こうとすること」です。

フォーマットを作って、項目を埋めようとして、面倒になってやめてしまう。箇条書き3行で十分なのに、長文で記録しようとするから続きません。

スマホのメモアプリに思いつくまま書くだけで機能します。

30分の短縮は、授業の質を落とさずに手に入れられる

「準備を減らしたら授業の質が下がるんじゃないか」という不安は、誰でも持ちます。正直、最初は怖いです。

でも、それは「準備量=授業の質」という思い込みから来ています。

準備時間が減った講師ほど、授業中の判断が速くなっていく

準備時間が減ると、授業中に使えるエネルギーが増えます。

前日の深夜まで予習していた状態より、適度に準備して十分な睡眠を取った状態の方が、生徒の反応に気づく余裕が生まれます。

「この説明で伝わっていないな」「ここは別のアプローチに切り替えよう」——こういった授業中のリアルタイムな判断は、準備量ではなく余裕から生まれます。

準備を絞ることで、授業そのものに集中できるようになる。そこに気づいた講師ほど、授業の質が上がっていくというのは逆説的ですが、実際のところそういうものです。

余裕が生まれた時間を生徒理解に使うと結果が出やすくなる

予習時間が30分短縮できたとして、その30分をどこに使うかで授業の質は変わります。

生徒のこれまでのテスト結果を見返す。前回の授業メモを読み直す。

生徒がどんな部活をしているか、最近どんな様子かを思い出す。こういった「生徒を理解する時間」に使うと、授業の方向性がぐっと変わります。

コミュニケーションの力は、授業の内容知識とは別のところで生徒の信頼を作ります。生徒から「この先生は自分のことを分かってくれている」と思われると、授業への集中度が変わります。

それが成績に出てきたとき、「準備を減らして正解だった」と実感できるはずです。

よくある質問

塾講師の予習時間を30分短縮するにはまず何から始めればいいですか?

最初の一週間、予習に使った時間と作業内容を書き出してみてください。「毎回やっているのに授業では使っていない作業」が見えてきます。その一つをやめるだけで、翌週から時間は変わります。

予習時間を減らしたら授業の質が下がりませんか?

準備量と授業の質は必ずしも比例しません。削るのは「授業で使わない作業」だけです。授業に使う情報の準備は残しつつ、使わない補足調べや複数の板書案作成などを減らすことで、授業への集中力が上がる講師が多いです。

塾講師の予習で一番時間がかかる作業はどれですか?

「解説書の全読」と「毎回一からのプリント作成」が時間を取りがちです。解説書は使う範囲だけ確認するスタイルに切り替え、プリントは前回のものを流用・修正する形にするだけで準備時間はかなり変わります。

授業後のメモが続きません。どうすればいいですか?

完璧なメモを書こうとしないことです。スマホのメモアプリに「詰まった問題・効いた説明・次回の確認事項」の3点だけを箇条書きするだけで十分機能します。5分あれば書けます。

カリキュラムと指導書、どちらを優先して予習に使えばいいですか?

両方を組み合わせて使うのが一番効率的です。カリキュラムで範囲を確認し、指導書でその範囲のポイントと生徒がつまずきやすい箇所を把握する。この2ステップで下調べはほぼ完結します。

まとめ:塾講師の予習時間を30分短縮するために、今夜変えられること

予習時間が減らない原因は、段取りの悪さではなく「何をどこまでやるか」の基準がないことにあります。これが分かると、見直す場所が絞れます。

まず今夜やってほしいのは、今週の予習を振り返って「授業で一度も使わなかった作業」を一つ特定することです。明日からそれをやめる。

それだけで来週の予習は変わります。

「準備を減らすこと」への不安は、やってみれば薄れていきます。生徒の反応を見ながら調整していけばいい。

完璧な準備より、続けられる準備の方が授業に出ます。

30分の短縮は、大きなシステム変更なしに手が届く範囲にあります。準備の構造を少し変えるだけで、毎日の仕事が少し軽くなる。

まず一つ、試してみてください。

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