大切なお子さんを預けている塾の先生、「本当にこの人で大丈夫かな?」と不安に感じたことはありませんか?実は、塾への不満から転塾を考えたことがある保護者は、全体の約3割にも上るというデータがあるんです。連絡が遅い、子どもの様子を把握していない、授業が分かりにくい…。そんな些細な違和感が、積もり積もって「無責任だ」という不信感に繋がりますよね。この記事では、そんな悩める保護者のあなたのために、無責任な塾講師を見抜くための具体的なチェックリストと、穏便に講師を交代させるための3つのステップを私の経験も交えながらお伝えします。もう一人で悩まないでください。この記事を読み終える頃には、お子さんの未来のために今すぐできることが明確になっているはずです。
我が子の塾講師は大丈夫?無責任な講師を見抜く5つのチェックリスト

「うちの子の先生、ちょっと頼りないかも…」そう感じても、確信が持てないと行動に移しにくいものですよね。まずは、そのモヤモヤした気持ちを具体的なチェック項目で整理してみましょう。これからご紹介する5つのカテゴリーに分けて、お子さんの塾講師の言動を客観的に振り返ってみてください。一つでも当てはまる項目が多ければ、それは危険信号かもしれません。
授業・指導内容に関する危険信号
塾の根幹である授業や指導内容に問題があるのは、最も見過ごせないポイントです。お子さんの成績が伸び悩んでいる原因は、もしかしたら講師の指導力にあるのかもしれません。日々の授業の様子をお子さんからヒアリングしたり、面談の際に具体的な指導方法について質問してみたりすることが大切です。
- 説明が分かりにくい
- 質問に答えてくれない
- 生徒のレベルに合っていない
- 毎回同じような授業内容
- 指導に情熱が感じられない
これらの項目は、講師のスキル不足や準備不足を示唆しています。特に「質問に答えてくれない」というのは致命的です。生徒の疑問に真摯に向き合えない講師は、子どもの学習意欲を著しく低下させてしまう可能性があります。お子さんの「わからない」というサインを見逃さないようにしましょう。
「先生の説明、よくわからない」は重要なサイン
もしお子さんが「先生の説明、なんだかよくわからないんだよね」と口にしたら、それは聞き逃してはいけない重要なサインです。子どもは正直ですから、本当に理解できていないのかもしれません。もちろん、単にその日の単元が難しかっただけという可能性もあります。しかし、その言葉が何度も聞かれるようなら、講師の教え方に問題があると考えた方が良いでしょう。指導力のある講師は、難しい内容も生徒が理解できるように噛み砕いて説明する工夫を凝らすものです。
質問しにくい雰囲気を作っていませんか?
「質問しても『後で』と言われてそのままにされる」「簡単な質問をすると嫌な顔をされる」。こんな状況では、お子さんは質問すること自体を諦めてしまいますよね。無責任な講師は、自分のペースで授業を進めることを優先し、生徒一人ひとりの理解度を確認しようとしません。結果として、わからないことが放置され、成績不振に繋がります。良い講師は、むしろ生徒からの質問を歓迎し、クラス全体で共有するような雰囲気を作ってくれるものです。
保護者・生徒とのコミュニケーション不足
塾は子どもが通う場所ですが、保護者との連携も同じくらい大切です。家庭での学習状況や子どもの性格を塾と共有し、塾での様子を家庭でフィードバックしてもらう。このサイクルが、子どもの学力向上には不可欠なんです。コミュニケーションを軽視する講師は、その役割を放棄していると言っても過言ではありません。
- 塾での様子を報告しない
- 保護者面談を実施しない
- 相談しても返事がない
- 生徒の名前や個性を把握していない
- 連絡事項の伝達が遅い・漏れる
これらの点は、講師が保護者や生徒一人ひとりに向き合う姿勢があるかどうかを示すバロメーターです。特に、こちらから連絡しても反応が薄い、あるいは全くない場合は要注意。保護者との連携を面倒だと感じている可能性があり、信頼関係を築くのは難しいかもしれません。
定期的な報告がないのは危険信号
「うちの子、塾でちゃんとやってるのかしら?」そう思っても、塾からの報告がなければ様子を知ることはできませんよね。多くの熱心な塾では、月に一度の報告書や、定期的な電話連絡などで生徒の状況を伝えてくれます。そういったアクションが全くない場合、講師が個々の生徒の学習状況をきちんと管理できていない可能性があります。ただ授業をこなすだけで、その後のフォローアップまで責任を持っていないのかもしれません。
子どもの変化に気づいてくれていますか?
例えば、お子さんが少し元気がなかったり、特定の科目に苦手意識を持ち始めたりした時、それに気づいて声をかけてくれるのが良い講師です。無責任な講師は、授業をすることだけに集中し、生徒の細かな変化には無頓着です。面談の際に「〇〇さんは最近、授業中に少し集中力が途切れることがあるようですが、ご家庭で何かありましたか?」といった具体的な問いかけがあるかどうかも、講師が生徒をしっかり見ているかどうかの判断材料になります。
宿題や進捗管理のずさんさ
授業で習ったことを定着させるために、宿題は非常に重要です。その宿題の出し方やチェック方法、そして学習全体の進捗管理に、講師の責任感がはっきりと現れます。この部分がずさんだと、せっかく塾に通わせても学習効果は半減してしまうでしょう。
- 宿題のチェックが甘い
- 間違えた問題の解説がない
- 個々に合わせた宿題を出さない
- 学習計画に一貫性がない
- 進捗状況を把握していない
宿題は「やらせて終わり」では意味がありません。どこでつまずいているのかを講師が把握し、適切なフィードバックをすることで初めて学力に繋がります。ただ答え合わせをするだけの雑なチェックや、全員に同じ量の宿題を出すだけの画一的な対応は、無責任と言わざるを得ません。
宿題の丸付けが雑だったら要注意
お子さんの宿題ノートを見てみてください。ただ赤ペンで丸やバツがついているだけではありませんか?なぜ間違えたのか、どう考えれば正解にたどり着けたのか、といったコメントや解説が丁寧に書き込まれているでしょうか。雑な丸付けは、講師が内容をしっかり確認していない証拠です。特に、間違えた問題が放置されているようであれば、その講師は生徒の弱点を克服させる責任を放棄しているのと同じです。
「うちの子の苦手」を把握していますか?
面談の際に「お子さんの現在の課題は、〇〇の単元ですね」と即答できる講師は、生徒の進捗をしっかり管理している証拠です。逆に「えーっと…そうですね…」と言葉を濁したり、一般的な話に終始したりするようであれば、個々の生徒の状況を把握できていない可能性があります。無責任な講師は、全体のカリキュラムを進めることしか考えておらず、一人ひとりの理解度や苦手分野にまで目が届いていないことが多いのです。
責任感や学習意欲への配慮の欠如
塾講師の役割は、単に勉強を教えるだけではありません。子どものやる気を引き出し、目標に向かって努力する姿勢を育むことも大切な仕事です。成績を上げるという結果に対する責任感や、子どものメンタルへの配慮が欠けている講師は、長期的にお子さんの成長の妨げになる可能性があります。
- やる気を削ぐような発言をする
- 生徒によって態度を変える
- 成績が上がらないのを生徒のせいにする
- 具体的な目標設定をしない
- 褒めずにダメ出しばかりする
子どもの心は非常にデリケートです。講師の何気ない一言で、勉強が嫌いになってしまうこともあります。「どうせ無理」「なんでこんなことも分からないの?」といった発言は絶対にあってはなりません。生徒の可能性を信じ、粘り強く伴走する姿勢こそが、教育者として最も重要な資質ではないでしょうか。
「どうせ無理だよ」なんて言葉、許せませんよね
冗談のつもりでも、講師が生徒の目標に対して否定的な言葉を口にするのは問題です。「君にはこの志望校は無理だよ」といった発言は、子どもの挑戦する気持ちを根こそぎ奪ってしまいます。本来であれば、目標達成のために何が足りないのか、どうすれば乗り越えられるのかを一緒に考えるのが講師の役目のはず。子どものやる気を削ぐような発言が聞こえてきたら、すぐに対応を考えるべきです。
成績が上がらないのを、子どものせいにしていませんか?
「本人のやる気がないから」「家で勉強しないから」。面談でこのように、成績が上がらない原因をすべて生徒や家庭のせいにする講師がいます。もちろん、家庭学習も重要ですが、それをサポートし、塾での学習効果を最大化するのがプロの仕事です。うまくいかない原因を分析し、指導法を改善しようとする姿勢が見られない場合、その講師は自分の責任から逃げているだけなのかもしれません。
時間や約束を守らないルーズさ
社会人としての基本的なマナーが守れない講師は、学習指導においても信頼できません。時間や約束に対するルーズさは、仕事全体に対する姿勢の表れです。一見些細なことのように思えても、このような行動が積み重なると、生徒や保護者からの信頼は失われてしまいます。
- 授業に遅刻してくる
- 授業時間を守らない(早く終わる)
- 面談や連絡の約束を忘れる
- 身だしなみがだらしない
- 個人的な話ばかりする
これらの行動は、講師のプロ意識の欠如を示しています。特に、授業時間に遅刻したり、早く切り上げたりするのは、月謝を支払っている保護者への裏切り行為とも言えます。子どもたちもそういった講師の姿を見て、「時間は守らなくてもいいんだ」と間違った認識を持ってしまうかもしれません。
たかが5分の遅刻、では済まされない問題です
講師が頻繁に授業に遅刻してくる場合、それは極めて深刻な問題です。その5分、10分は、子どもたちの大切な学習時間であり、保護者が支払った月謝の一部です。遅刻が常態化している講師は、自分の仕事に対して責任感が欠如していると言わざるを得ません。また、生徒たちに時間を守ることの大切さを示すべき立場の人間が、その手本を示せないのは教育者として失格です。
約束を忘れるのは、軽視されている証拠かも
「後で連絡します」と言ったきり連絡がない、「この資料を次回までに用意します」と言って忘れる。このような約束違反が続く場合、その講師はあなたやお子さんとの約束を軽視している可能性があります。多忙でうっかり忘れてしまうこともあるかもしれませんが、それが何度も繰り返されるようであれば問題です。メモを取る、スケジュールを管理するなど、約束を守るための工夫をするのは社会人として当然のことですよね。
なぜ?「無責任な塾講師」が生まれてしまう3つの背景
では、なぜこのような「無責任な塾講師」が存在してしまうのでしょうか。もちろん講師個人の資質に問題があるケースも多いですが、実はそれだけではありません。塾業界が抱える構造的な問題や、私たち保護者との認識のズレが、結果として「無責任」という不信感を生み出していることもあるんです。背景を知ることで、より冷静に問題に対処できるようになります。
経験不足やスキルの問題だけではない講師個人の資質
まず考えられるのは、講師自身の問題です。学力が高くても、教えるスキルや子どもと向き合う姿勢が伴っていなければ、良い講師にはなれません。特に、学生アルバイト講師が多い個別指導塾などでは、講師の質にばらつきが出やすいのが現実です。
- 教育への情熱の欠如
- 「アルバイト感覚」が抜けない
- コミュニケーション能力の低さ
- 責任感の欠如
これらの資質は、研修だけではなかなか身につきません。「子どもが好き」「教えるのが好き」という根本的な動機がなければ、困難な場面で生徒に寄り添うことは難しいでしょう。「時給が良いから」といった理由だけで講師をしている場合、どうしても責任感は希薄になりがちです。
学生アルバイト講師にありがちな落とし穴
学生アルバイト講師のすべてが悪いわけでは決してありません。年齢が近い分、生徒の良きお兄さん・お姉さんとして慕われる優秀な講師もたくさんいます。しかし、一部には社会人経験がないゆえの責任感の欠如が見られることも事実です。サークルの飲み会や試験勉強を優先して授業の準備を怠ったり、保護者への報告・連絡・相談がうまくできなかったりするケースは少なくありません。彼らにとってはあくまで「アルバイト」であり、生徒の人生を預かっているという意識が低い場合があるのです。
「教える」ことへの情熱はありますか?
塾講師は、サービス業の一面も持っています。しかし、根底に必要なのは「教育への情熱」です。生徒が「わかった!」と目を輝かせる瞬間に喜びを感じられるか、生徒の成長を自分のことのように喜べるか。そうした情熱がなければ、日々の地道な準備や生徒との根気強い対話は続きません。授業が単調で、生徒の反応にも無頓着な講師は、もしかしたらこの仕事自体に向いていないのかもしれません。
塾側の管理体制や労働環境の問題
講師個人の問題だけでなく、塾側のシステムに原因があるケースも非常に多いです。劣悪な労働環境では、どんなに優秀で情熱のある講師でも疲弊してしまい、良いパフォーマンスを発揮することはできません。講師一人の問題として片付ける前に、塾全体の体質にも目を向ける必要があります。
- 研修制度が不十分
- 講師への過度な負担
- 低賃金・長時間労働
- 教室長などの管理能力不足
- 講師間の情報共有がない
特に、講師の採用基準が低く、十分な研修を行わずに現場に立たせている塾は問題です。また、授業以外の事務作業や保護者対応などがサービス残業扱いになっているような、いわゆるブラックな労働環境では、講師のモチベーションは下がる一方。結果として、指導の質の低下に直結してしまうのです。
ブラックな労働環境が指導の質を下げていることも
塾業界は、残念ながら労働環境が良いとは言えない側面があります。授業準備や報告書作成、保護者対応といった付随業務に給与が支払われないケースも珍しくありません。一人の講師が担当する生徒数が多すぎて、一人ひとりに向き合う時間が物理的にないことも。このような環境では、講師は日々の業務をこなすだけで精一杯。生徒のやる気を引き出すようなプラスアルファの働きかけをする余裕など、なくなってしまうのも無理はないのかもしれません。
教室長のマネジメント能力は十分ですか?
個々の講師をまとめ、指導し、塾全体の質を担保するのは教室長や塾長の役割です。しかし、この管理職のマネジメント能力が低いと、講師が好き勝手に行動したり、問題が起きても放置されたりしてしまいます。保護者からの相談に真摯に対応し、問題があれば講師を指導・改善する。そうした当たり前の機能が働いていない塾は、組織として問題があると言えるでしょう。講師個人だけでなく、教室全体の雰囲気や教室長の対応も注意深く見る必要があります。
保護者との認識のズレが「無責任」という不信感に
意外かもしれませんが、私たち保護者側が抱いている「塾とはこういうものだ」という期待と、塾側が提供しているサービス内容にギャップがあることも、「無責任だ」と感じる一因になります。入塾前に、指導方針やコミュニケーションの取り方について、十分にすり合わせができていないと、後々「話が違う」ということになりかねません。
- どこまで見てくれるのか
- 指導方針のすり合わせ
- コミュニケーションの頻度
- 期待値の事前確認
例えば、保護者としては「家庭学習の計画まで細かく管理してほしい」と思っていても、塾の方針は「塾での学習指導がメイン」という場合もあります。また、報告の頻度についても、毎日連絡が欲しい保護者もいれば、月一回で十分と考える塾もあるでしょう。こうした認識のズレが、不満や不信感に繋がっていくのです。
私たちが「当たり前」と思っていること、塾にとっては違うかも?
例えば、「授業後には毎回、その日の内容や子どもの様子をメールで報告してくれるのが当たり前」と思っていませんか?しかし、塾によってはそのようなサービスは行っていない場合もあります。また、「欠席した場合は必ず補講してくれるはず」というのも、塾のルール次第です。入塾時の説明で確認したつもりでも、意外と細かい部分で見落としていることは多いもの。不満を感じたときは、まず契約内容や塾のルールを再確認してみることも大切です。
「お任せします」は危険な言葉
入塾面談の際に「先生にすべてお任せします」と言ってしまうのは、実はあまり良くありません。もちろん塾を信頼している証ではありますが、これでは塾側も「どこまで期待されているのか」が分かりません。例えば「まずは学校の授業についていけるようにしてほしい」「〇〇高校に合格するための指導をお願いしたい」など、具体的な要望を伝えることが、後の認識のズレを防ぐ鍵になります。塾に丸投げするのではなく、家庭と塾がパートナーとして協力していく姿勢が大切なんです。
もう我慢しない!無責任な塾講師をチェンジするための具体的な3ステップ

「やっぱりうちの先生、問題があるかもしれない…」そう確信したら、次はいよいよ行動に移す番です。しかし、感情的に「先生を変えてください!」と乗り込んでも、うまくいくとは限りません。冷静に、そして戦略的に進めることが、円満な解決への近道です。ここでは、誰でも実践できる具体的な3つのステップをご紹介します。もう一人で抱え込まず、お子さんのために一歩踏み出してみましょう。
【ステップ1】まずは客観的な事実を記録・整理する
塾に相談する前に、まずは準備が何よりも大切です。「なんだか頼りない」「無責任な感じがする」といった曖昧な不満では、塾側も対応のしようがありません。具体的な事実を時系列で記録し、問題点を明確に整理しておきましょう。この一手間が、後の交渉をスムーズに進めるための強力な武器になります。
- いつ(日付・時間)
- どこで(教室・電話など)
- 誰が(講師名)
- 何をしたか(具体的な言動)
- どう感じたか(子や親の気持ち)
これらの「5W1H」を意識して、箇条書きでメモしておくだけで十分です。お子さんから聞いた話だけでなく、保護者自身が電話対応などで感じたことも記録しておきましょう。感情的な言葉は避け、あくまで客観的な事実を淡々と書き出すことがポイントです。
感情的にならず、事実を淡々とメモする
例えば、「講師がいつも授業に遅刻してきて、本当に腹が立つ!」と書くのではなく、「〇月〇日、〇〇先生、授業開始時刻に5分遅刻。子どもによると、これで今月3回目とのこと。」というように記録します。このように事実だけを並べることで、後で塾長などに説明する際に、冷静かつ論理的に話を進めることができます。感情的な訴えは「クレーマー」だと思われかねませんが、事実に基づいた指摘には、相手も真摯に対応せざるを得ません。
お子さんからのヒアリングも忘れずに
問題の多くは、授業中という保護者の目の届かない場所で起きています。そのため、お子さんからの情報が非常に重要になります。「今日の塾、どうだった?」「先生、何か言ってた?」など、日常会話の中でさりげなく様子を聞き出しましょう。その際、「先生、ひどいね!」などと親が先に感情的になるのはNGです。子どもが親に気を使って本当のことを言えなくなる可能性があります。「そうなんだ、それでどう思った?」と、まずは子どもの気持ちを受け止める姿勢が大切です。
【ステップ2】塾長や教室長へ冷静に相談する(伝え方の例文付き)
事実の記録が準備できたら、いよいよ塾の責任者である塾長や教室長に相談します。いきなり電話でまくしたてるのではなく、事前にアポイントを取り、面談の時間を設けてもらうのがマナーです。そして、面談ではステップ1で準備したメモを見ながら、冷静に、かつ具体的に問題点を伝えましょう。
- まずは感謝の言葉から
- 事実を具体的に伝える
- 改善してほしい点を明確に
- 感情的にならず冷静に
- あくまで「相談」という姿勢で
ここでのポイントは、講師個人を糾弾するのではなく、「子どもの学習環境をより良くするための相談」というスタンスで臨むことです。そうすることで、塾側も防御的にならず、一緒に解決策を考えてくれる可能性が高まります。最終的な目的は、講師を罰することではなく、お子さんが安心して勉強できる環境を確保することですよね。
伝え方の例文:「相談」ベースで切り出すのがコツ
「いつもお世話になっております。本日は、〇〇(子どもの名前)の担当をしてくださっている〇〇先生の件で、少しご相談したいことがありお時間をいただきました。先日、子どもが『先生の授業で質問しづらい』と申しておりまして…。具体的には、〇月〇日に…(記録した事実を伝える)。もし可能であれば、もう少し子どもが質問しやすいような雰囲気を作っていただけると大変ありがたいのですが、いかがでしょうか?」このように、事実+要望をセットで、低姿勢で伝えるのが効果的です。
「講師交代」をいきなり要求しない
よほど深刻な問題でない限り、最初の相談でいきなり「講師を交代させてください」と要求するのは得策ではありません。まずは「指導方法の改善」をお願いするのが筋です。塾側にも、講師を指導・育成する責任があります。改善を求めても状況が変わらない場合に、初めて「講師交代」という次のカードを切るのです。段階を踏むことで、要求の正当性が増し、塾側も受け入れやすくなります。
【ステップ3】改善が見られない場合は毅然と講師交代・塾の変更を要求する
塾長に相談し、改善を約束してもらったにもかかわらず、一向に状況が変わらない…。残念ながら、そういったケースもあります。その場合は、もう遠慮する必要はありません。お子さんの大切な時間とお金を無駄にしないために、次のステップへ進む決断をしましょう。
- 改善の期限を伝える
- 再度、責任者と面談する
- 講師交代を明確に要求する
- ダメなら転塾も辞さない姿勢で
最初の相談から1ヶ月程度経っても改善が見られない場合は、再度面談を申し込みます。そして、今度は「改善が見られないため、担当講師を交代していただきたい」と明確に要求します。それでも塾側が渋るようなら、それは塾全体の体質に問題がある証拠。その場合は、退塾や転塾も視野に入れて、毅然とした態度で臨むことが重要です。
「1ヶ月経っても改善されない場合は…」と期限を切る
最初の相談の際に、「では、1ヶ月ほど様子を見させていただけますでしょうか。もしそれでも改善されないようでしたら、またご相談させてください」と、あらかじめ期限を設けておくのも一つの手です。これにより、塾側に「いつまでに対応しなければならない」という意識を持たせることができます。期限を設けずに「様子を見ます」だけだと、問題がうやむやにされてしまう可能性があるからです。
最終手段としての「転塾」カード
講師交代を要求しても「代わりの講師がいません」などと、誠意のない対応をされることもあります。その場合は、その塾に見切りをつける時かもしれません。「大変残念ですが、このままでは通わせ続けることはできませんので、退塾も検討します」と伝えましょう。優秀な生徒に辞められるのは塾にとって大きな損失です。この一言で、塾側の対応ががらりと変わることも少なくありません。もちろん、これは最終手段ですが、お子さんを守るためには必要な決断です。
講師交代で失敗しないために|チェンジ後の注意点と良い塾の選び方
無事に講師を交代してもらえた、あるいは転塾を決めた。それで一件落着、ではありません。ここからのケアや次の選択が、お子さんの今後の学習に大きく影響します。講師交代という出来事を、親子で乗り越え、より良い学習環境を手に入れるための最後の仕上げについてお話しします。次の失敗を繰り返さないためにも、ぜひ参考にしてください。
講師交代を子どもにどう伝えるか?精神的なケアの重要性
大人にとっては単なる「担当者変更」でも、子どもにとっては大きな環境の変化です。特に、講師交代のきっかけが自分にあると感じてしまうと、罪悪感を抱いたり、次の先生との関係構築に臆病になったりする可能性があります。親として、子どもの気持ちに寄り添った丁寧な説明とケアが不可欠です。
- 「あなたのせいじゃない」と伝える
- 親が守るという姿勢を見せる
- 次の先生への期待感を醸成する
- 子どもの不安や気持ちを聞く
何よりも大切なのは、「あなたの勉強のために、お母さん(お父さん)が塾にお願いしたんだよ」と、決定の主体が親であることを明確に伝えることです。子どもが「僕がわがままを言ったから先生が辞めちゃったんだ」などと誤解しないよう、言葉を選んで丁寧に話してあげてください。
子どもが自分を責めないように言葉を選ぶ
「〇〇先生、あなたのことをちゃんと見てくれていなかったみたいだから、もっとあなたのことを一生懸命応援してくれる先生に代わってもらったんだよ。これは、あなたのせいでは全くないからね。お母さんが、あなたにもっと良い環境で勉強してほしくて決めたことだから、何も心配しなくていいんだよ。」このように、子どもを主語にするのではなく、親を主語にして説明することで、子どもは安心して次のステップに進むことができます。
新しい先生との関係作りをサポートする
新しい先生に代わった直後は、お子さんも緊張しているはずです。「新しい先生、どうだった?」「前の先生とどっちが分かりやすい?」などと、根掘り葉掘り聞くのは避けましょう。まずは「今日から新しい先生だね、頑張ってね」と送り出し、「お疲れ様」と温かく迎えてあげるだけで十分です。少し慣れてきた頃に、さりげなく感想を聞いてみましょう。最初の授業の後には、保護者から塾に「本日はありがとうございました。子どもも分かりやすかったと申しております」などと一本連絡を入れておくと、新しい先生も安心し、より良い関係が築きやすくなります。
次は失敗しない!信頼できる塾講師を見極めるポイント
一度失敗したからこそ、次はもっと慎重に選びたいですよね。新しい講師を紹介されたり、転塾先を探したりする際には、今度こそ信頼できる講師かどうかをしっかりと見極める必要があります。学歴や合格実績といった表面的な情報だけでなく、その人の教育に対する姿勢や人柄にまで目を向けてみましょう。
- 教育への情熱や理念
- 子どもとの相性
- 保護者との連携姿勢
- 指導経験と実績
- 生徒への接し方
これらのポイントは、体験授業や入塾面談の際に確認することができます。特に重要なのは「子どもとの相性」と「保護者との連携姿勢」です。どんなに指導力が高いカリスマ講師でも、お子さんが萎縮してしまっては意味がありません。また、家庭と協力して子どもの成長をサポートしようという姿勢があるかどうかも、長く付き合っていく上で非常に大切な要素です。
体験授業で「子どもの目を見て話しているか」をチェック
体験授業は、講師を見極める絶好の機会です。授業内容だけでなく、講師の立ち居振る舞いを観察しましょう。保護者にばかり良い顔をして、子どもには無関心ではありませんか?きちんと子どもの目を見て、名前を呼び、問いかけをしていますか?生徒一人ひとりの反応を気にかけているか、質問しやすい雰囲気を作ろうとしているか。そうした細かな部分に、その講師の生徒に対する姿勢が表れます。
面談で「この塾の悪いところは?」と聞いてみる
少し意地悪な質問かもしれませんが、面談の際に「あえてお伺いしますが、この塾の弱みや課題は何ですか?」と聞いてみるのも有効です。良いことばかりを並べるのではなく、自社の課題をきちんと認識し、それを改善しようとしている誠実な姿勢が見えるかどうかを確認できます。「特にありません」と答えるような塾は、あまり信用できないかもしれません。逆に「〇〇という点はまだ改善の余地がありますが、そのために△△という取り組みをしています」と具体的に答えられる塾は、信頼できる可能性が高いでしょう。
塾そのものが合わない可能性も?転塾を検討する際の注意点
講師を交代してもらったけれど、どうもしっくりこない…。そんな時は、講師個人ではなく、塾のシステムや方針そのものがお子さんに合っていないのかもしれません。転塾は親子ともに負担が大きい決断ですが、合わない環境で時間を浪費するよりは、思い切って環境を変える方が良い結果に繋がることもあります。
- カリキュラムや指導方針
- 教室の雰囲気や生徒層
- 料金体系や追加費用
- 通塾のしやすさ
- 情報収集と複数比較
転塾を考える際は、今回の失敗を教訓に、これらの点を総合的に比較検討することが大切です。口コミサイトや友人の評判も参考になりますが、最終的には必ず親子で見学や体験授業に参加し、自分たちの目で確かめるようにしましょう。前の塾への不満から焦って決めると、また同じ失敗を繰り返しかねません。
集団か個別か、指導形態は合っていますか?
例えば、競争が苦手でマイペースに学習したいお子さんには、集団指導塾の雰囲気は合わないかもしれません。逆に、周りと切磋琢磨することでモチベーションが上がるタイプのお子さんには、個別指導では物足りない可能性があります。今回の問題が、単に講師の質だけでなく、塾の指導形態そのものがお子さんの性格に合っていなかったという可能性も考えてみましょう。転塾を機に、指導形態を見直してみるのも良い機会です。
辞める時こそ、立つ鳥跡を濁さず
転塾を決めたら、現在の塾にはルールに従って退塾の意向を伝えます。その際、これまでの不満をぶちまけるのは避けましょう。理由は「家庭の事情で」「本人の希望で別の塾を試してみたいと申しますので」など、当たり障りのないもので構いません。最後まで丁寧に対応することで、万が一またお世話になる可能性や、狭い地域での評判などを考えても、円満に退塾するのが賢明です。お子さんの大切な未来のために、前向きな気持ちで新しいスタートを切りましょう。

コメント