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常勤・非常勤講師の違いって何?給料・待遇・採用の差を徹底図解してみた!!

教員には「専任教師」「常勤講師」「臨任教師」「非常勤講師」があります。

さらに、常勤講師と非常勤講師には、学校側からの直接採用の他に派遣会社を通した、「紹介採用」「派遣採用」「契約採用」といったものがあります。

それぞれ待遇が異なり給料にも差があります。そこで、常勤・非常勤講師の給料格差問題についてお話をしましょう。

目次

常勤と非常勤の契約と待遇の違いについて

専任教師以外で学校の教壇に立つ人を「講師」と言います。

講師には常勤講師と非常勤講師の二つの立場があります。

常勤講師というのは、学校と教師が直接的に契約する場合と、紹介会社を通して契約する場合があります。

ほとんどの場合、紹介会社は「紹介・斡旋」をするだけで契約をした後のことは、学校と教師だけの直接契約になるため、待遇や条件はほぼ同じです。

非常勤講師の場合も、学校と教師が直接的に契約する場合、紹介会社を通して契約する場合がありますが、もう一つ紹介会社の「社員」として派遣契約をする場合もあります。

同じ非常勤講師でも、契約方法によって、待遇と条件・給料が違いそれぞれメリット・デメリットがあります。

それでは、どの形で採用されることが良いのでしょうか?

常勤講師の給料と待遇の図解

私立教師の給料は、初任給で22万円から30万円くらいまでとバラつきがあります。

学校によっての違いもありますが、経験年数や学歴「大卒、修士卒、博士卒」によっても異なるようです。

学歴の差は、ほぼ2万円前後で大卒が22万円なら修士卒が24万円、博士卒が26万円となっています。

常勤講師の場合は、ここからおおよそ2~4万円くらい少ない金額となりますが、常勤講師の場合は学歴はあまり考慮されることはないようです。

そのため、大卒でも院卒でも一律月の給料が18万円~20万円の学校がほとんどです。

そして、私学共済に加入する代わりに、給料の中から支払うため手取りは15万円を下回る人も大勢います。

常勤講師の給料の良いところは、専任教師ほどではありませんが、ボーナスがしっかりと支払われて、さらに私学共済などの社会保険への加入が認められているところです。

ほとんどの学校で、ボーナスは年間で6か月分支払われますが、最初のボーナス「夏のボーナス」は勤務を始めて間もないという理由から1か月分くらいになる学校が多いようです。

常勤講師の一番の問題点は、契約年数によって待遇が異なることです。

契約年数は1年、2年、3年が多く、2013年に改正された労働契約の「非正規雇用者5年問題」の時を境に、5年にかかってしまうような採用はしていません。

公立でも臨任の教師に対して5年以上続けて仕事をすると、試験に合格しなくても専任教員になってしまいますね。

しかし、この場合は「採用試験」というしっかりとしたハードルがあります。

そこで、専任を希望する非常勤講師には、その間に校長推薦、校長先生が面接や論文を自ら指導するなどで、採用試験に合格できるように促す傾向があります。

私立の場合も、優秀な常勤講師に対しては「教師確保」の意味で専任教員になるような道を開いている傾向があります。

しかし、中にはそういった機会に恵まれず常勤講師を転々としている人もいるようです。

中でも1年契約を続ける人の場合は「毎年夏は契約して半年以上たっていない」とみなされてしまい非常勤講師よりもひどい待遇で仕事をしている常勤講師もいます。

学校によっては常勤講師に対してボーナスが年間で1か月、と非常勤講師並みという学校もあり「常勤講師」といってもかなりの格差があります。

非常勤講師の給料と待遇

非常勤講師を勤める場合、直接採用と派遣採用では少し待遇が異なります

直接採用の場合は学校の「規約」にのっとって時給計算された給料が支払われます。

コマ数によっては私学共済に入ることも可能ですが、ほとんどの学校ではこれを認めていないのが現状です。

一方、派遣会社の社員としての非常勤講師の場合は、持ちコマ数によって派遣会社の社会保険に入ることができるなど、優遇された面がありますが、本来もらえる時給に対して、派遣会社の「派遣料」が差し引かれるため、他の非常勤講師よりも時給単価が低かったり、ボーナスが出ないなどの不利な点もあります。

非常勤講師の給料は1コマ単価で計算されることがほとんどです。

その場合、月曜日の1、3、5時間目の授業を受け持つ場合は、3コマ分として計算する学校が多く、1コマ2500円なら、3コマで7500円となります。

派遣会社経由の良いところは、こういった「空きコマ」分の支払いを要求してくれたり、募集している人材よりも年齢が高くても紹介してもらえる可能性があることです。

そして、兼任する場合は全ての学校の持ちコマ数によって、社会保険への加入も可能になっています。

一方、派遣会社の場合は派遣契約にない仕事、例えば夏期講習などを受けることができない場合があります。

例えば、他の非常勤講師が夏期講習などを受け持つことで、通常の給料にプラスしてもらえる分が、派遣契約に入っていないと、講習などの手当てを受け取ることができません

このように同じ非常勤講師でも、契約や採用によって給料や待遇が違ってきます。

給料の計算式も違い、募集サイトに書かれている「時給」では見えない差がたくさんあります。

そこで、非常勤講師として仕事をするとき、気を付ける点についてご紹介しましょう。

  • 派遣会社の保険に入ることができる
  • 空きコマへの補填がある
  • 派遣契約外の夏期講習に参加でない
  • 学校が負担する特別講習手当てがない
  • 派遣会社の契約手数料が取られてしまう

安定はするがその分特別なボーナスもないというのが派遣契約の本質です。

時給だけで解らない非常勤講師の給料

非常勤講師の場合、学校によって時間給の場合と固定給の場合があります。

時間給の学校は一般的な企業などのパート同様の計算方法になります。

例えば、「1コマ3000円~」という募集の学校があったとします。

時間給の場合は「5月10日1時間目と4時間目の授業を行った」という結果を元に「1時間3000円×2」で「6000円」という計算をします。

一般的な非常勤講師の初任給が2300円~2500円なので、割と高額に見えますね。

しかし、こういった学校は、非常勤講師を希望している教師にはあまり人気がありません。

長年、教師という仕事を経験している人はお解りかと思いますが、非常勤講師といっても「月曜日の1~4時間目は学校に拘束される時間」となります。

  • 1時間目・・時給3000円
  • 2時間目・・空きコマで無給
  • 3時間目・・空きコマで無給
  • 4時間目・・時給3000円

合計6000円だが拘束時間は5時間以上。

2コマが無給では困るのです。

学校で仕事をしていると、その分、他の仕事ができるのか、休憩して良いのか、というとそうではありませんね。

例えば、生徒の提出物や小テストをチェックしたり、授業の準備などで時間を使うことになります。

そこで、こういった計算をしている学校で働く非常勤講師の場合、実質労働時間に対する時給が1,000円を割ってしまうこともあります。

そこで、ほとんどの学校では体育祭や学園祭などのイベントで授業がない、夏休みなどの長期休み等を含め、一律固定給にしている学校がほとんどです。

それによって、行事で授業がない場合でも給料をもらうことができます。

固定給の計算方法も学校によって様々ですが、多くの学校が利用しているのが1カ月4回授業をしたという仮定での給料体系です。

これは、長期休みや学校のイベントでお休みになっても、その分を支払う方法になります。

1コマ2,500円の場合、1週間に15時間の授業を行うなら、「2,500×15×4=150000円」。

この計算なら15万円は学校行事で授業がお休みになっても、夏休みなどの長期休暇になっても支払ってもらうことができます。

他にも、1コマ2,500円で年間52時間(365日割る7日)×15(持ちコマ数)÷12(ヶ月)という計算をしている学校もあります。

この計算になると、1か月は162,500円です。

夏休みをマイナスにしている学校には、その分時間給をあげて、3,000円と設定している学校もありますが、この場合は3,000円×40時間×15コマ÷12で150,000です。

他にも、ボーナスが出る学校、出ない学校などもあり非常勤講師の給料は本当にピンからキリまで、といった感じです。

このように、私立の非常勤講師の給料、学校単位で様々な違いがあり募集しているサイトなどの「時間給」で判断するのは危険です。

ボーナスの有無、保険などの加入の有無も違い、雇用の違いだけを分類しても、10パターン以上の違いがあります。

常勤講師・非常勤講師は給料面でどちらが得なのか?

それでは、代表的な常勤講師、非常勤講師の給料を比較してみましょう。

代表的な例を挙げるだけでも、このように学校の計算式次第で常勤講師、非常勤講師の給料は様々です。

月給では分からない部分もあるため、常勤・非常勤講師の給料を年収で計算し、エクセルで比較してみました。

こちらでは、30歳、教員歴7年くらいという設定で計算をしましたが、この時に皆さんが注意する点は、「教員歴」を見て初任給を決めるか、決めないか、「社会人経験」の履歴も加味してくれるか、というところです。

同じ30歳でもずっと他の学校の非常勤講師から常勤講師になる場合と、企業から常勤講師になる場合では異なります。

中には、こういった経験も加味してくれる学校もあります。

また、数字やグラフでは、「やはり常勤講師の方が良い」と思った人も多いことでしょう。

確かに、数字以外にも常勤講師は私学共済に加入できる、厚生年金に加入できるという制度があります。

非常勤講師の場合は、学校単位で違い、同じ18コマでも加入できない学校はたくさんあります。

しかし、常勤講師は専任教員と同じように部活や修学旅行など、拘束時間が長く時給換算すると非常勤講師より低い場合もあります。

また、常勤講師が長くて3年で契約終了になってしまうことに比べて、非常勤講師には「無期雇用制度」があります。

中には同じ学校で非常勤講師で講師歴10年、20年の教員も多く、長い間に時間給もアップし、2,500円からスタートしても、3,000円、3,500円になることもあります。

さらに、都内の私立学校の中には、非常勤講師でもボーナスが年間6か月分という学校もあり、ほぼ専任教員と同じ待遇という給料をもらう教員もいます。

非常勤講師の多くは、学校の雇用規定などにより、経験年数で時間給がアップするようになっています。

中には初めから高額のため、ほぼアップがないという学校もありますが、公立でも毎年20円、50円とアップするということです。

1コマ当たりで計算する非常勤講師ですが、経験年数がありコマ数も多く、ボーナスがしっかりと保証され、さらに共済に加入できるとしたら、常勤講師よりも年収が高い教員もいるということです。

常勤講師と非常勤講師は人生設計で選ぶべき

常勤講師
  • 社会保障とボーナスがある
  • 契約年数が過ぎたら終了で延長がない
  • 3年は安定するが時間外労働も多い
  • 専任への採用がないこともある
非常勤講師
  • 社会保障とボーナスは学校次第
  • 契約年数が基本的に決まっていない
  • 時給換算で空きコマが無給になることがある
  • 無期雇用契約で長期で働ける可能性もある
  • 1年で仕事が終わってしまうこともある

どちらを選ぶか、どんな学校が良いのか、ただ数字だけで選ぶのではなく、実際に勤務した経験のある講師などの意見も参考に選ぶということも大切です。

  • 一生涯教師をやりたいのか?
  • 同じ地域や学校で長く働き続けたいのか?
  • 出産や子育てに対してどう考えているのか?
  • 年収と働き甲斐のどちらを優先するのか?
  • 他業種への転職や技術獲得についてどう考えているのか?

今考えるのは難しいと思いますが、いずれ自分の人生に深くかかわってくる問題です。

そして、きちんとした学校は全ての情報をしっかりと公開しています。

ボーナスがどれくらいなのか、保険の加入の有無は、と募集のサイトでしっかりと公開している学校は、隠れたマイナス面がありません。

こういったことを明確にしている職場を選んで、授業に集中できる学校生活を送りましょう。



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