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大学非常勤講師の平均給料の比較グラフを公開します

大学院前期(修士課程)を卒業した後に後期(博士課程)に進学したり、博士課程を修了しオーバードクターになった後、次の道が決まらない人が増えています。

こういった人の多くが、大学非常勤講師になり、大学院に在籍しながら研究を続けながら教えることで収入を得ています。

ところで、大学非常勤講師は一体どれくらいの収入になるのでしょう。26歳、27歳の院卒にふさわしい収入を得ることはできるのでしょうか。

そこで大学非常勤講師として、収入を得たい人達のために、平均給料やボーナスについてご紹介しましょう。


目次

大学の非常勤講師の給料は意外と低い

大学非常勤講師は、中学や高校の非常勤講師と同じで、大学の授業を受け持ちコマ当たりの時給で給料をもらう人を言います。中学や高校の非常勤講師と同じように、週8コマで〇〇円、といった契約になります。

中高と大学の非常勤講師の違いは、大学卒(学士)でなることは難しく、最低でも院卒(修士)の学歴が必要であること、1コマの時間が長く中高のおよそ2倍であることです。

学歴が高く、働く時間も長い大学非常勤講師は、さぞかし高給取りなのだろう、と思われるかもしれません。しかし、皆さんが思うほどの高給取りではありません

むしろ、学歴に見合った給料ではないといえるくらい薄給です。

さらに、自分が所属するゼミの教授の学会の手伝いや、研究の継続などいろいろと時間を必要とするため、中高の非常勤講師のようにたくさんのコマ数を持つことができません。

ほとんどの大学非常勤講師は、予備校講師や中高の非常勤講師と兼任をするか、実家からの仕送りを続けてもらって学費と生活費に充てています

しかも、誰もが非常勤講師から専任講師、准教授や教授になれるわけではありません。

その研究室で数十年にたった一人が、教授の意志を引き継ぐ研究者となれるのです。かなりの覚悟と周囲の理解が必要です。

これが大学の非常勤講師や大学で教えるという仕事に就くことです。中には、どうしても正規の職員になりたいために、大学の教員職を諦めて事務職に就いてしまう人もいるようです。

そこで、色々な大学の非常勤講師が一体どれくらいの給料をもらっているのか、ボーナスはどうなのかということを調べてみました。

大学非常勤講師の給料体系を比較します

大学の非常勤講師の給料は基本的に、中学や高校と同じようにコマ数✕4というものが多いようです。中学や高校との違いは1コマの時間が50分ではなく、90分、または100分であるということです。

大学の非常勤講師募集でコマ単価が色々とありますが、その中には1コマ90分の大学と、100分の大学という違いもあるようです。

それでは、色々な大学の給料の違いを比較してみました。ご覧ください。

大学非常勤講師の給料比較グラフ


10大学の非常勤講師のコマ給、またはひと月当たりの給料を比較したところ、平均の給料は1コマ6,797円、月の給料は27,186円になります。

中高の非常勤講師のコマ給は2,500円~3,000円になるため、大学の方がはるかに高給に見えます。

しかし、中高の講師が1週間に8コマ、16コマと大量に授業時間を受けることができるのに対して、大学の非常勤講師の場合は、募集そのものが1~4コマ程度です。

そのため、実質のひと月の給料は、中高の非常勤講師の方が上になります。

さらに非常勤講師募集のページでは、ほとんどの大学で給料の明確な数値を公開していません。

そこで今回は、2021年現在公開されている非常勤講師の給料だけを抽出し、比較してみました。ここで一概にいえないのが先ほどの時間の違いです。

最も高額の給料となっているT工科大学は、他の大学と異なり1コマ100分になります。

そのため、10分ぶんが上乗せされ、1000円以上高くなっているのではないでしょうか。

また、色々なサイトから非常勤講師の給料が安い、学生からの授業料はどこに消えているのだろう、と問題になったW大学は、他の大学と比較すると決して安いわけではありません。

今回、こちらで比較した大学の10倍以上の大学を調査しましたが、ほとんどの大学は非公開です。ということは少なくとも、こちらで発表している大学以上に給料を支払っている大学はほとんどないのではないでしょうか。

ほとんどの大学は、平均給料かそれよりも低い可能性があるかもしれません。

大学非常勤講師の年齢別給料比較グラフ

一方で、T学園大学のように年齢別の給料をはっきりと公開している大学もあります。

T学園大学の良い点は、しっかりと経験値のある年齢の高い講師ほど、給料が高いという点です。とんどの学校や大学では60歳定年制のため、60歳を過ぎるとコマ給1割以上下がります。

これは企業にもいえることです。

しかしT学園大学の場合は、60歳を過ぎても60歳未満よりもコマ給が上がり、さらに65歳を過ぎるとさらに高くなるということです。

ほとんどの大学や企業で給料が下がる60歳というボーダーで、逆に上がるというのは、色々な点でメリットが考えられます。

例えば大学側では、他の中高や大学で長年講師をやっていたベテラン教員を獲得できる可能性があります。講師をする教員側も、60歳を過ぎてからの転職に最適であるという点です。

他にも、修士や博士の資格を持って、企業で社会経験を積んで定年退職になったベテランの人も転職しやすい、というところです。

非公開の大学でもこういった大学はあることでしょう。しかし、はっきりと明確にしている大学は、良い人材も集まりやすくなります。

大学非常勤講師のボーナスと保険について

アルバイトや契約社員でも、ボーナスや社会保険に加入できる企業が増えています。

しかし未だにこういった制度が遅れているのが教育の現場です。大学はもちろん、中高の非常勤講師でもボーナスなし、という学校は未だに存在します。

特に、大学の契約職員や非常勤講師にはボーナスは0円という大学がほとんどです。

大学非常勤講師のボーナス

教授や准教授はボーナスが1回100万円以上、2回で200万円以上です。年収1000万円を超えるというのも珍しくありません。

大学の授業料のほとんどは、非常勤講師ではなくこういった教授や准教授に支払われているのかもしれません。

確かにアルバイトでもボーナスの支給条件に、週の労働が何時間を超えた場合、月の労働が何日を超えた場合は支払う、というのが一般的です。

大学の非常勤講師の場合、週1コマしか授業を持たず、月の労働時間が360分という人もいます。

月に6時間では単発のアルバイトと同じとみなされても仕方がないということでしょう。そのため、大学の非常勤講師はボーナス0円というのも珍しくないようです。

同じような条件で、中高の非常勤講師の場合でも、ボーナスの額は月の支払いの0.2~0.5と言ったところです。そのため、月に2~3万円程度の非常勤講師には、ボーナスの支給が数千円と少ない学校もあります。

市費の公立中学はボーナスの支払いはありませんので、非常勤講師のボーナスが0円というのは、決して異常なことではないようです。

大学非常勤講師の保険

同じような理由で、大学の非常勤講師は社会保険の加入もできません。

教授や准教授はもちろん、契約社員の専任講師や教育助手の場合は労働時間が週5~6日で30時間を超えます。

この時点で社会保険(私学共済)の加入は義務づけられますが、非常勤講師の多くは時間そのものが不足しているため、アルバイトと同じ扱いになります。

そこで社会保険や年金に関しては、自営業と同じ国民健康保険や国民年金の加入になってしまいます。いくら複数の学校を兼任しても、一か所の仕事での労働時間が基準となるため「フリーの仕事」とみなされます。

大学の非常勤講師の給与は非公開

教職員を募集している大学で不思議なことが良くあります。

まず、事務職の場合は「初任給〇〇円」「年収〇〇万円」といった明確な金額が表示されているのに、教授や准教授はもちろん非常勤講師の時給もほとんど非公開です。

募集要項を見ると「本学規定による」と書いてあります。これでは、実際の給与を知らないまま応募することになります。

しかしそれでも応募する人がいるということは、博士課程で研究している若手研究員や、オーバードクターの中には「とにかく収入を」という人が多いということでしょう。

まとめ:大学の非常勤講師の給料だけ生活するのは大変

大学非常勤講師の多くは、自分の研究が認められて専任講師や准教授といった正規の教職員になることを目的にしています。

しかし、実際には生活をするために予備校講師や中高の非常勤講師と掛け持ちをし多忙になっていきます。年齢を重ねるうちに、時間が経つにつれて研究をする時間も意欲もなくなっていきます。

  • 生活安定していない
  • ボーナスはない
  • 社会保険や私学共済の加入もできない
  • 退職金や失業保険ももらえない

これが現実です。ただ「研究がしたい」という気持ちだけでは続きません。

大学非常勤講師という仕事は、家族の支えがない限り永遠に続けるのは難しい仕事です。

辛い時に現実と向き合うのは難しいかもしれません。そこで20代のうちに、夢を見るだけでなく現実的な計画を立てましょう。

そして「必ず専任講師や准教授になるまで頑張る」という意欲で非常勤講師の仕事や研究を続けるのか、それとも「何歳までに専任講師になれないなら大学非常勤講師を辞めて企業や法人の仕事を考える」という覚悟を決めましょう。



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