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音楽教師の仕事はきつい?常勤・非常勤講師に年収と待遇の本音を聞いてみた

今回は音楽の先生が現場で感じる悩みについて、取材してきました。

自分自身の学生時代を振り返ると、中高生の時に本当にまじめに参加したのは音楽祭ぐらいなもので、沢山迷惑をかけたかな?とおもいつつ実際に先生側の本音を聞く機会はありませんでした。

  • 部活動の実績により教師の忙しさが変わる
  • 通常授業の指導に関しては音大卒なら問題なし
  • 担任不在の時に代行することも多い
  • 部活が弱い学校は楽だが事務作業が多い
  • 待遇は他の教科担任と同じ
  • 受験に必要ない科目なので軽視されることもある

このような印象を受けました。

部活指導が大変という声もありますが、主要五科目の先生も運動部をほぼ無報酬でやっているケースが多く、とりわけ音楽の先生だから大変だということはないかと思います。

私立学校においては部活の大会成績が次年度の生徒募集と関係するので、強豪校は教師へのプレッシャーがスゴイですね。

これは公立と私立の大きな差だと思います。

音大の付属高校以外で音楽教師になると、ほぼ受験に使わないケースがあり、学校全体ではやはり肩身が狭い思いをすることもあると聞きます。

目次

音楽教師の平均年収300~400万

音楽教師の年収についてはこちらの図が分かりやすいかと思います。

音楽専科だから特別手当があるわけではなく、平均年収は300万~400万円程度。非常勤講師の時給は2000円前後で後はコマ次第です。

部活動や課外学習はほぼ無給のケースが多い

学校における音楽のPRというのは試合結果です。毎回のテストで結果が見えるわけでもなく、大会の結果で判断されます。

そのため指導基準を図ることが難しく、部活動に関してはなかなか手当てが保証されていないのが現状です。

ほぼ無給だと思っていた方が気が楽なはず。外部から音楽専門コーチを雇うと、非常勤との間で軋轢があるという意見も聞きます。

続いて、実際に現役の先生に聞いた意見を2つお伝えします。

非常勤音楽教師が感じたきついところ

年齢は20代後半です。小学校の音楽専科、臨時採用の講師として勤務し、4年生以上の3学年12クラスの音楽の授業を担当していました。

5年生や6年生は週に1回~2回の授業があり、4年生は週に2回の授業があるのが通常です。音楽会や入学式、卒業式のシーズンになると、クラス担任と話し合いながら、クラスや学年での出し物を練習します。

小学校でも朝の部活動指導が大変

授業開始までは、他の職員と同じように登校指導をします。音楽関係の部活動がある学校に勤務した場合には、登校時間の1時間前には学校へ行き、部活動指導の準備をします。

朝の部活動は県によって禁止されているところが多いですが、学校によっては、子どもや保護者からの希望で辞められない現状です。

そのため、部活動としてカウントせずに、自主練習としてカウントされていて、部活動の指導手当が出ません

自主練習としてカウントされていても、子どもを野放しにするわけにはいかないので、実際は先生としてその場に行って指導をします。

朝のホームルームの時間は、子どもたちがクラスに戻っていくので、その間に授業準備をします。

クラス担任が勤務を休む場合は、代わりにそのクラスに行って連絡や出席確認、健康チェックをします。不登校の生徒を迎えるなど、イレギュラーな対応もします。

イレギュラーな対応がある場合、授業準備は出来ません。給食の牛乳の仕分けなどの仕事もありました。

小学校の音楽専科の待遇について

5教科以外を担当する場合も、年収やボーナスは変わりませんでした。年収は初任給+αという感じで、ボーナスも決して少なくはありませんでした。

ただ、音楽関係の部活動を指導する必要がありましたが、休日に出勤しても、朝早くから指導をしても、時間外勤務のカウントにされてしまい、残業としてカウントされました。

ひと月の残業が多くなると、校長や教頭から残業時間を減らすように指導が入りましたが、部活動の時間なので減らすことが出来ません。

また、部活動手当は前年度の実績をもとに支払われる制度でしたが、私の学校では、前の顧問が実績を報告していなかったため支払われませんでした

毎週土曜日に指導をして、毎朝部活の指導をしても、年間を通して支払われたのは大会の引率の手当て1万円以下でした。

その他の待遇は、臨時講師なので育休や産休がありませんでした。

また年休の日数は20日ほどで、それを超える場合は療養休暇となりますが、医者から一筆いただくことが決まりでした。

部活が少ない高校の音楽教師がおすすめ

音楽の教師は、高校が一番授業時間数が少なくて空き時間が多いです。一方で部活動の指導で吹奏楽や合唱が盛んな学校だと非常に苦労します。

中学校はほとんどの学校で部活動の指導があるのではないかと思いますが、授業時間は学校の規模によって異なります。

小学校で音楽専科を採用している地域もありますが、部活指導がない場合や小規模校への勤務の場合は、家庭と両立できる可能性が高いです。

音楽の教科指導はそこまで大変ではない

いずれにしても、教科を教えることは、大学などでしっかりと音楽をしていればそれほど大変なことではありません。

クラス担任をする場合や部活指導をする場合は、子どもへの対応に加えて、保護者への対応があったり、毎週お便りを書く必要があったり、学校の状況によっては非常に大変で身体を酷使する学校もあります。

どの学校へ勤務するのかが分かった時点で、もし荒れている学校や部活動が盛んな学校に決まった場合には、家族にサポートをお願いしておいたほうが良いかもしれません。

忙しいほどやりがいを感じる仕事かと思いますが、身体や精神を壊さないように、細心の注意を払いながら勤務をして、頑張ってください。

中学校の音楽非常勤が感じた点

26歳(昨年度まで教員として勤務していました。以下の情報は、令和2年度の情報です。)
勤続年数:4年
担当教科:音楽
担当学年:3年生担任
年収:約400万円

クラスは、各学年4クラス程度。1クラスの生徒は、大体35名〜40名でした。
音楽の授業以外にも、支援クラス生徒への入り込み授業や抽出授業などもあり、担任業務+18コマ/1週間が基本でした。

音楽は、余程なマンモス校でない限り1人しか配属されないので、全ての授業を1人でしなければいけません。そのため、生徒の顔と名前がなかなか一致しないなど、他の教科の先生と比較して大変なことは多くあったと思います。(もちろん5教科だからこその大変さもあります)私が、特に大変だったと思うことを、いくつか挙げていきます。

定期考査づくり、および採点

中学校で勤務していたため、毎学期筆記試験を行っていました。学習指導要領上、必ず試験をしなければいけないわけではないのですが、成績をつけるための一つの数値として毎学期行っていました。

基本的に、5教科の先生は担当学年のみのテストを作成し、その分の採点をすれば良いのですが、音楽は全学年を担当しているので、作成するテストは3学年分。

また、採点も3学年分なので、他の先生よりも3倍の量をこなさなければなりません。どんなに採点を簡単なテストにしても、テスト期間は、毎日22時まで残って採点をしていました。

成績をつけるのが大変

テストの採点が大変であれば、成績をつけるのも一苦労です。他教科に比べ、授業数が少ない実技教科。しかい、5段階評価は、5教科と同等に扱われます。

ただでさえ少ない授業数。それをもとに、何百人以上の生徒の成績を、付けなければならないのは、とても苦労しました。

また、今は中1からの成績が受験に響いてしまいます。そのため、生徒や保護者が必ず納得のいく成績になるよう、細かく気を配らなければならに必要がありました。

自粛でできることが限られる

コロナの影響を1番に受けた教科は、音楽でしょう。リコーダーは吹いたらだめ、歌ったらだめ。年間のカリキュラムの半分を占めるこの2つを制限され他にもかかわらず、授業数は確保しろと、かなり無茶苦茶なことを上から言われました。授業数だけを確保して、音楽としてやることは一人で考えてねと、かなり投げやりな教育委員会。もし感染者が出たら、まず疑われるのは音楽でした・・・・。

音楽教師の待遇について

教諭であれば、他の同僚と比べてボーナスや年収に差はありません。むしろ、体育なら体育大会、音楽なら合唱コンクールなど目立つ場所をいただけるので、アピールすることができるのは良い点だと考えています。

ただ、1学年あたりのクラスが増えてしまうと、5教科の先生よりも授業数が増えてしまうため、担任を務めることができません。

特に、若手は担任としの業務に慣れていかなければならなにのに、マンモス校に配置されてしまったが故に、授業ばかりをして、担任をいまだ経験していない先生もいました。

部活動に関しては、5教科の先生にはほとんど選択権はなかったように思います。音楽ならば吹奏楽、体育なら陸上など、その先生がどんな専門だったのかよりも、教科の特性を最優先して配置されることが多かったです。

実際に私は、吹奏楽は全く経験ありませんでしたが、他に誰ももつこのできる先生がいないからという理由で主顧問を受け持つことになりました。

音楽教師は大変だけどやりがいがある

音楽教師としての仕事は、本当に楽しいです。特に、合唱コンクールがおわった後の達成感や成就感などは、他の5教科の先生では感じることのできないものがあります。

また、勉強はなかなかできなくても、実技教科なら頑張ろうと楽しもうとしてくれる生徒が多いのも事実です。

しかし、各学校に配属される同じ科目の先生が少ない、もしくはいないということで、教科に関する専門的な相談をなかなかできず、知らずのうちに心病んで休職してしまう先生が多いのは美術や音楽でした。

実際に、同じ市の新卒の音楽の先生も、成績の付け方がいまいち分からず、保護者の方からクレームが入り、そのことに関して管理職や先輩職員から叱咤され、病気休暇、退職をしていました。

教師になりたいと思ってくれたからこそ、何か悩みや不安があったら、誰でも良いのですぐ近くの人に助けを求めながら、頑張って欲しいと思います。

できないことは恥ずかしいことでなく、教師は一つ一つの経験が大切です。頑張ってください。

私立の常勤音楽教師が感じたきついところ

某東京近郊の私立高校で音楽の教員をしていました。

私は年齢は36歳で、結婚を機に退職しましたが、今から4年前まで都内近郊の私立学校で音楽教員として働いていました。

常任ではありましたが、受け持つ担任のクラスはなく副担任という形で2年生や3年生のクラスに配属されたことはあります。音楽の授業自体は学年関係なく、週に10~15コマくらいを受け持っていました。

当時年収は400万円前後だったかと思います。私立でしたので担当コマ数を加味すると妥当であったかなと思います。

もともと音大出身で教員志望でもありましたが、音楽の授業を教える教員枠については非常に募集が厳しく、都立や県立では倍率が非常に高かったのを覚えています。

大学院や企業の音楽スクールのようなところで子供向けに教えることも考えていましたが、運よく私立の空きがでたため、当時の学校に就くことができました。

指定校推薦で音楽教師になるのは大変

就職に関しては大学に専門の指定校枠みたいな募集もありましたが、ここが非常に難関で、音大に通う人の8割近くが教員志望(第二志望も含めて)であり、かつ提携校枠も数が非常に少ないので苦慮した記憶があります。

私立に関しては自分のエントリーシートやピアノの音源などを録音して各校に送ったりもしていましたが、(20件くらい送りました)まるでダメでした。

当時の高校に空きが出たのは2月ごろに急遽空きが出た枠で、大学から紹介されたのがきっかけです。まさに奇跡でした。

2月くらいになると同期のみんなは希望の学校に決まっているか、あきらめて就職しているか、いずれにしても職が決まっている段階でしたので、何も決まっていなかった私にとっては競争が少なく応募でき、無事に内定をいただきた形です。

音楽教師の位置づけはやはり主要科目に劣る

授業の一日の流れに関しては、全体の朝礼を終えた後、各クラスに応じた授業準備に入るのですが、音楽の場合入試に響くわけでもなく、生徒のリラックスに繋がるような内容を心がけていました。

もちろん音楽の道に憧れたり、歌をキッカケに芸能界デビューを目指したいなどといった生徒もいましたが、もちろんこれは稀なケースです。

基本的には通常授業(国数英社理)の間の休憩という位置づけの生徒の方が多かった印象です。

それでも内申には響きますので、そのあたりは意識して教えていました

また、授業以外ですと部活でブラスバンドの顧問もしていました。

こちらの方が音楽に対する思いの強い子が多く集まりますので私としての重要度は高かったように感じています。

その他、副担任も行っていましたので、クラスの雰囲気づくりや日々の日記の確認、生徒指導やイベントなどの書類づくりなども行っていました。

担任が無かったり主要科目以外の担当はこういった作業を行わなければいけない雰囲気が教師同士のなかにもありましたので、このあたりは大変でした。

音楽以外の事務作業も実は多い

主要科目以外の担任になりますと、どうしても授業以外の事務作業を行わなければならない雰囲気が教師陣の中でも生まれてきます。

私立では特に音楽の部活(ブラスバンドやコーラスなど)が全国大会などで好成績を収めていない限り、事務作業を受け持つケースが多くなります。

イベントごとの内容精査やスケジュール決め、保護者への案内チラシの作成など、音楽とは関係ない仕事の方が業務におけるウェイトを多く占めていた記憶があります。

ある程度しかたのないことではありますが、どうしても不合理を感じることもありました。

また、生徒においても、進学を目標にしている生徒にとっては音楽というのは息抜きの意味合いが強くなる子も多く、授業に対しても身が入っていないことが多々ありました。

こちらもしょうがないと割り切っていたものの、寂しさを感じることもありました。

ただ、全体集会での国歌斉唱や校歌斉唱などのピアノを弾くときは、自分の力を示せるというか、憧れを受けたりもするので、それは非常に気持ちよかったです。

私立の音楽教師の待遇は悪くない

私は私立高校でしたので県立都立に比べて給料は若干いいのかなとは思いますが、特に比較をしたことが無いため具体的にはわからないです。また、同僚の主要科目の教師の方々との差に関してもわかりかねます。

とはいえ、30前後で400万円というのはそこまで悪い給料とは感じていませんでした。

仕事量的にはもちろん波はありますが、早く帰れる時には19時くらいには帰れました。

また部活で土日に大会に出たり練習で出勤しなければならない時にも少しではありましたが休日手当のようなものもありましたのでお金の面では不便を感じたことはありません。

ボーナスも年2回通常通りありました。

ただ、時間拘束はやはり多く取られますので、休日に趣味の自分の時間を充てたいということには正直向いていないかと思います。

生活の目的をお金や趣味に感じるのではなく、生徒の夢や将来を後押しするという教員としての考えを強く持っているのであれば苦に感じることはないかと思います。

これから音楽教師を目指す人へ!

音楽教員として私立で働いていた私なりの経験談を回答させていただきましたが、音楽に限らずこの主要科目以外の教員を目指す上で意識していただきたいことは、とにかく生徒の夢や将来を後押しする職業だと自分に言い聞かせることだと思います。

どうしても受験を考えると、音大や美大、保育士などを目指す生徒以外には興味のない科目になります。

進学校になればそれはより一層強くなるかと思います。ある意味でそういった生徒を邪魔しない、そういった生徒の後押しとなれる役割を主要科目の教師以上に持つ必要があるかと思います。

内申点というのもありますが、受験において高校生であれば特にそこまで重要視されなくなっています。

授業要綱の改定などによって、主要科目で覚えなければいけない項目がどんどん増えています。

その中で、いかに主要科目以外を楽しんでもらえるか?ということを常に意識することが大事かと思います。

また、主要科目にかかわらず教員という職業はどうしても自分の時間がなくなりがちです。

時間的な拘束が一般企業に比べると非常に大きい職業だと感じています。

それでも生徒の喜ぶ顔を見ると疲れも吹き飛びますしやりがいを感じるかと思います。

これから音楽に限らず教員を目指す方々には是非そのあたりを参考にしていただけるといいのかなと心から思います。



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